神と人をつなぐ物語

現人神の少女とその御脚である少年の物語。
災いの蛇神を祀る山岳の集落イェンダ。そこには現人神がいる。
彼女は話すことも地に足をつけることもない。
現人神の移動を行うのは神の御脚である少年の役目だった。
祭りの日、蛇の群れに襲われた集落から、現人神を守るため山を駆ける少年。
そこで少年は蛇神と出会う。蛇神とは、現人神とは何者であるのか。
厳しい土地の文化や民俗、息づく精神が生々しい熱を持って語られます。
邪は消えないが善いものもまたあり、災いは人々の力で乗り越えていける。
神は見守り生きる力は受け継がれていくという力強いエネルギーがありました。
さて、タイトルの恩寵が何かと最後にわかりますが、
それはそれを生んだ地理や歴史、文化、人々全てのことなんだろうなあと。

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