100話まで拝読しました。ずっと書きたいと思っていたレビューコメントを書かせていただきます。
「世の中にはものすごい作品を書かれる方がいらっしゃるものだ……」
初めてこの作品に触れた時、私はそう思いました。
大きな悪に打ちのめされ、苦しみ、もがき、それでも前を向いて己の道を探す。
作品世界の奥深さ、構成、メッセージ性の力強さは、数多あるカクヨム投稿ファンタジーの中でもトップクラスだと思います。
映像化しても映える作品ですが、小説の形が最も適しています。できれば紙媒体の。だってあまりに完成されているんですもの。
文体はハードボイルド。その卓越した筆力で、苦しいシーンもどんどん読み進みます。そこに一筋の光のように差し込まれるカタルシスは、いやだ手離したくない! と思ってしまうほど。
あきらめないこと、人と繋がりを持つこと、どんなに苦しくても必ず光はあるのだと信じること。
じんわりと染み込むような優しさは、作者様のお人柄が見えるようです。
今、毎日が苦しいと感じながら生きていらっしゃる方にこそ読んでいただきたい、至高の物語。今年の一作にいかがでしょうか。
緩急あるキャラクターの所作や行動、場面選択にインパクトを感じました。
私的感想ですが、映像にすると映えるのではないでしょうか?
戦乱の叙事詩のようでありながら、活劇でもあります。
まだ、公開されている分の半ばまでしか読めていませんが、なかなか出てこないなぁと思っていた子たちも、あと二十話ほども読み進めば登場しそうですし(もう密かに登場しているのかなぁと、少しばかり疑ったりもしましたが、よく見たら先のエピソードタイトルに彼らの気配がありまして…)、
こちらは、まだ五分の一ほどしか公開していらっしゃらない超大作ということで、ここで一呼吸おいて――レビューを書きたくなりました。
自分でいて、少し呼吸を入れるタイミング間違えている気もしますが、ともあれ、応援いたします。
「この果実を食うか、片腕を切断されるか、どちらか選べ」
冒頭からデスゲームを思わせるような、残虐な光景が描かれており、一体何が始まるのか、否、始まっているのか、読み手を不安にさせます。
少女は最後まで果実を口にすることはなかったのですが、代わりにその腕を犠牲にしてしまいます。
しかしながら、そんな悲惨な状態になったはずの腕は、次の日には完全に治っていた。同じ拷問を繰り返される、その理由とはなんなのか?
ある日、それは突然の終わりを告げる。どうやら、怪物はこのセカイから去るらしい。去って嬉しいはずの、少女と男の反応がどこかおかしい。
このセカイには、彼が必要だと少女が叫ぶ。
一体、このセカイはなんなのだろうか――――。
これが冒頭の1話なのです。
その次の2話はガラリと雰囲気が変わるのです。これだけでも読み手としては、非常に読み応えがあり、私も最新話まで読み進めるまでそれなりに時間はかかりました。
しかし、ブックマークを外すことはありません。それが、この作品をここまで読んだ結論です。
ぜひ、この世界観に浸って欲しい。
とても作り込まれた素晴らしい作品だと思います。
1話の文字数はまあまあ多めです。
でも、読むのが好きな方には、きっとハマるはずです。
しっかりと作り込まれたファンタジーの世界と圧倒的な文章力で描かれる主人公たちの丁寧に描写された心の内側。
この物語を書くためにいったいどれだけの推敲を重ねたのだろう。
謎の少女・樹李と自分が誰なのかもわからなくなってしまった少年の出会い。
そしてムーングロウと呼ばれる世界で少年は多くの仲間や怪物と出会い、自分のことも分からないまま、守りたいものの為に立ち向かっていく。
奥行の深い物語に章が進むに連れて、飲み込まれていく。
はじめて作品を目にしたときは、多くの謎と現世とフラマリオンの関係。
どう展開していくのか全く読めずに情報を受け入れていく。
そして現世での登場人物たちの背景を知り、再びフラマリオンの世界へ。
作品が既に小説として形になり過ぎていて、文章量に対して抱く負担というものがない。
感服するのはぱっと見てその文章量から圧倒されてしまうかもしれないが、実際には物語はテンポよく進んでいくこと。
これだけ書き込んでいながら次へ次へと読んで行けるのはまだ未知の物語の謎が気になるから。そして主人公たちの進む先が、作品タイトルがどういう形で収束するのか気になり引き込まれてしまうから。
続きを読むのがとても楽しみな作品です。