概要
16世紀キューバ。理想と現実の狭間で、スペイン人司祭は苦しみ続ける
[カクヨムコン8短編賞中間選考通過]
1514年キューバ。新世界(インディアス)の征服を進めていたスペインは、現地の統治を入植者に委任していた。
その結果、先住民に対する迫害や虐殺が横行し、多くの先住民たちが命を落としていった。
暴力と収奪の嵐の中、ひとりのスペイン人司祭が強い疑念を抱いていた。
「我々の行いは神の御心にかなうものなのだろうか?」
そんな中、司祭の所有する農場で「ささいな」事件が起こる。
事件を契機に司祭の疑念は一層深まり、そして――
・物語の都合上、宗教的要素が強く関わりますが、実在する特定宗教を批判または賞賛する意図はありません。
・わかりやすさを目的として、歴史的用語に正式ではない訳をあてている箇所があります。(エンコミエンダ→寄託地、など)
1514年キューバ。新世界(インディアス)の征服を進めていたスペインは、現地の統治を入植者に委任していた。
その結果、先住民に対する迫害や虐殺が横行し、多くの先住民たちが命を落としていった。
暴力と収奪の嵐の中、ひとりのスペイン人司祭が強い疑念を抱いていた。
「我々の行いは神の御心にかなうものなのだろうか?」
そんな中、司祭の所有する農場で「ささいな」事件が起こる。
事件を契機に司祭の疑念は一層深まり、そして――
・物語の都合上、宗教的要素が強く関わりますが、実在する特定宗教を批判または賞賛する意図はありません。
・わかりやすさを目的として、歴史的用語に正式ではない訳をあてている箇所があります。(エンコミエンダ→寄託地、など)
おすすめレビュー
新着おすすめレビュー
- ★★★ Excellent!!!人間の尊厳は
人間の尊厳は、死の恐怖に屈さぬ誇り高き姿にある。
子どもの頃はとても格好良い格言だと思っていました。
けれど、歳を経るにつれ「いや、臆病でも生き延びた者が賢い。死んでしまえばお終いじゃないか」という想いが私の中に根差すようになっていきました。
だれがその考えを否定できるのでしょう?
しかし、この作品にはその賢明さに異を唱える偉人が登場します。
絶対に勝ち目などないと判っていようと、仕方のないことだと判っていようと。
それでも立ち向かわなければならない時がこの世にはあるのです。
強き人々の想いは形を変えて未来に受け継がれる。
なじみ深い単語が最後に出てきて目頭が熱くなりました。
侵略と暴力…続きを読む