人間の尊厳は

人間の尊厳は、死の恐怖に屈さぬ誇り高き姿にある。
子どもの頃はとても格好良い格言だと思っていました。
けれど、歳を経るにつれ「いや、臆病でも生き延びた者が賢い。死んでしまえばお終いじゃないか」という想いが私の中に根差すようになっていきました。
だれがその考えを否定できるのでしょう?

しかし、この作品にはその賢明さに異を唱える偉人が登場します。
絶対に勝ち目などないと判っていようと、仕方のないことだと判っていようと。
それでも立ち向かわなければならない時がこの世にはあるのです。

強き人々の想いは形を変えて未来に受け継がれる。
なじみ深い単語が最後に出てきて目頭が熱くなりました。
侵略と暴力に立ち向かう勇気を知りたい貴方へ、おススメです。