錯綜的トラディション～Incline～

構造物の点検調査コンサルタントをしている、通称「維持屋」飴村一季に、調査依頼が舞い込む。それは不動産で一財を成した曽田家の一人娘、茉希からのものだった。山奥の自宅敷地内にある水力発電所の調査を依頼された飴村は曽田家へと向かう。その曽田家では職人たちを居候として住まわせていた。娘の茉希と相対するように、水力発電所取り壊しを主張する母アリアは「破再屋」板尾正人に依頼していた。発電所を巡って母娘が対立する中、事件が発生する。発電所内部で四肢切断され、鋼線で結ばれた遺体が発見される。外部と唯一の連絡手段が破壊され、半軟禁状態となった曽田家で惨劇が続く。事件の犯人に疑われた飴村は、この状況を切り抜けるために奔走する。