四次元目を、始めます

「……最初にこんなことを言うと妙な誤解を受けそうだが、僕は未来から来た人間なんだ」
　時間の流れを無造作に逆流してしまう体質の「僕」は、意図せずに未来と過去を行き来し、ありとあらゆるタイプのタイムスリップに巻き込まれながら成長してきた。十九歳になる年の春、遊園地でのデート中に銃を持った男に突然襲われた「僕」の前に、一人の女性が助けに現れる。彼女は、「僕」と同じように異常な時間流の中で生きる運命の女性だった――。
　時空を越えた二人の決死の逃亡劇の果てに待つ、衝撃の展開と意外な真相。「時間もの」の見所である怒涛の伏線回収は、刺さる人にはきっと刺さるはず。
　2006年に描かれた17万文字の青春SF。未発表作品。