第29話 テイオスは せいけんづきを おぼえた!

 やってきました、さそいの洞窟。


 洞窟って、ひんやりしているし、ごつごつした岩肌は痛いし、歩きづらいしで苦手だー。

 携帯越しの2D洞窟とは、全然違うよねー。あのオオコウモリの時にも思ったけどさ。


 あ、結局、私は武器を買いませんでした。

 だって、お、推しが、守ってくれるってー、ふひっ、ふひひっ。


「……ココさん、笑顔が気持ち悪いコケ」


「うっさいわ」


 それにしても懐かしいなー。携帯の向こうではこの洞窟に入る前にレベル10以上に上げて、楽勝ピンポンで次のエリア行っていたよね。


 そんでさ、まだ呪文とか覚えられないからさ、フタタドリばっか倒して“フタタのつばさ”いっぱい集めたよねー。


 “ドーア”の呪文を覚えるまでお世話になるんだー。町に戻る度に一々フィールド移動なんかしてられないっつーの。


 そういえば、レベルって今どれくらいだっけ。


 ステータス確認。


 私、10。巨大鶏、11。推し、16。


 オッケーオッケー余裕余裕。

 この洞窟は中ボス的なやついないし、一番強いモンスターはレベル6。余裕余裕っ。


「ん? ココちゃん」


「どうしました? テイオスさん」


「なんかよ、見えない壁みたいなのがあって、先に行けねーんだよ」


 推しはパントマイムにみたいに空間をノックした。すると確かに、コンコンと音がし、反射でキラッと光った。


 ん? ……見えない壁?


「だあぁー! しまったぁー!」


 私は頭を抱え叫んだ。

 

 道中で、ふしぎの森に住む、なぞの老人からまほうの石をもらわないと、突破できないんだったー!


 推しにお姫様抱っこされ、守ってやる発言され、浮かれポンチだったー! 私のアホー!


「ま、大丈夫か。見えないが、壁がある事がわかれば、こんぐらい」


「え?」


 推しは左右の手を拳に握り、左手を突いた状態にまっすぐ伸ばすした。

 右手はあばらの下まで引き手を取り、突きができる状態に構えた。

 そして。


『テイオスは こしを ふかく おとし まっすぐに かべを ついた!』


「ふんっ!」


 真っ直ぐ右拳を突き出した推し。


 パリンッ! と見えない壁が割れ崩れた。


『テイオスは せいけんづきを おぼえた!』


「おっ、何か取得したみたいだな、ラッキー」


「…………」


 強引に突破しちゃうとこもしゅきぃー……。




−−−−−−



 あとがき。


 連載、再開です! 相変わらず不定期更新となりますが(苦笑)


 えー、ちなみに。“ドーア”の呪文、“ルー◯”です(笑)


 そして、“再び戻る”→“フタタビ“→“フタタドリ”(笑)


 ……ネーミングセンスない、哀れなビビリに、よければ、フォローやお星様などをポチしてくださると励みになりますー。


 あと、理想の推し(テイオスさん)できました。よければこちらから(近況ノートへ“ドーア”します(笑))↓

https://kakuyomu.jp/users/michishirube/news/16817330661242737734

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