第24話 俺を信じろ

 次が問題だ。ランダムで来る。


 誰だ!? 私か!? 


 テイオス


「……」


 推し、キター!


 でも、どうする!?


 後ろ回し蹴りは、全体攻撃。

 爆裂拳は、ランダムに五回攻撃。

 敵は一体。しかも、中ボス的な奴。


「…………」


 もう、決まっている。だけど、使いたくない。選択したくない。


「ココちゃん」


 推しが、私の心を見透かしたように。


「俺を信じろ」


 笑って。


「ここは『捨て身』で行くしかねぇ!」


 辛い単語を口にした。


「……でも、テイオスさんの次に受けるダメージが、すごい事になっちゃいます……。そんなの、そんなの……」


「大丈夫だ! ココちゃんも知ってるだろ? 俺は闘技場コロシアムの覇者だぞ!?」


 推しは私を和ますように、わざと子供っぽく胸を張った。


「……」


 携帯越しでやっている時は、キャラの気持ちなんてわかんないから、HPとかだけ気にしていればよかった。だから、武闘家キャラの『捨て身』とかもバンバン使えた。

 でも、こうやって、生きているのがわかると……、手が、震える。


「信じろ、俺を」


 推しが、テイオスさんが、悟すように、優しく、言った。


「…………」


 推しを、信じる。それが、ヲタク!


「わかりました!」


「それでこそココちゃんだ!」


 推しを、信じる!


 コマンド選択


 テイオス


 とくぎ すてみ:守りをすて、受けるダメージが増える。こうげきのちからが上がる。


 ……捨て身!


闘技場コロシアムの覇者を舐めるなよ!」


『テイオスは すてみのこうげきをした!』


 推しはデカ蝙蝠こうもりに体当たりをした。

 でも、普通の体当たりとは違う。

 体当たりはいつ敵の攻撃が来てもいいように、腕を盾代わりにしてぶつかる。でも、捨て身は防御の姿勢を取らない。体全体で、タックルするようにぶつかる。


 これで倒せなくて、次の攻撃が、デカ蝙蝠で、会心の一撃が出て、推しに、テイオスさんに当たったら……。


 ……いや! 推しを! 信じる!


『人喰いこうもりに 187のダメージ!

 人喰いこうもりを たおした!』


「……やった。倒せたー……」


 思わずペタンと座り込んだ。


「ココちゃん」


 推しが振り向き。


「信じてくれて、ありがとな」


 爽やかな笑顔で手を差し出してくれた。


「…………」


 ……泣きたい。


−−−−−−


 あとがき。


 本当に泣きたかった。捨て身の表現、難しっ!(泣)


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