第11話

僕らはサッカーが終わったあと自分達のテントに戻った。

試合が終わると僕たちの試合を見ていた人達が僕らの周りを囲んで来た。

なんと2年生になったというのに部活の勧誘がすごかった。

それ以外だとサインとか、握手とか色々。

僕は紗絵さんの競技も見たかったから早めに抜けることにした。

そして僕はテントに戻った。


「紗絵さんどこだろうか」


その時盛大な歓声が運動場全体に広がる。

まるで陸上の試合みたいだな。

次は女子のドッチボールだった。

さっき歓声が上がった理由は多分橘凛さんではないだろうか。

現生徒会長で3年生で一応僕の陸上の先輩だ。

次は紗絵さんだ!


「紗絵さん頑張れ!」


僕は紗絵さんを見つけると大きな声で名前を呼んだ。

するとたちまち笑顔になる。

頑張れ紗絵さん。

も、もちろん先輩も。

それと紗絵さんいつもと違って髪型が違う。

長い髪を束ねていて、それといつもより目つきが怖いような。


「先輩負けませんよ」

「もちろん、だけど約束は守ってもらうよ」

「もちろん」


何故か先輩と紗絵さんが睨みあっているような。

うん、たぶん気のせいだよね。

試合が始まる試合は1,2年生は混合でこれは出たい人だけ出るっていうのらしい。

そして相手は3年生だ。

これはどうなるんだろうか。

試合が始まる。

最初は1,2年生側がボールを取るとすぐさま3年生を当てていく。

紗絵さんは何故か終盤までボールに触れず何かを見ているようだった。

それから人数が減ってくると紗絵さんが急に動き始めだした。


「あれ?どうしたの?」

「大丈夫ですこれからです」


紗絵さんが先輩のボールを片手でキャッチするとそのまま先輩の顔に向けて投げ返した。

先輩はそれをすかさずキャッチして紗絵さんを当てようとする。


「紗絵さんがんばれー!!」


僕は気づけば応援をしていた。


「うん!!」


紗絵さんはニコッと笑うとボールがカーブすると2人連続でヒットさせる。

す、すごい。


「やるねー」

「まあ春君の彼女なんで」

「うっざ、真田君は私のだし」

「いえ、これで決めます」


残り残っているのは紗絵さん側は3人で先輩側はもう先輩だけだ。

これは勝ったんじゃ、


「どうよ」

「嘘」


ボールを投げると後ろの二人をヒットさせていた。

先輩もすごい。

これで一対一だ。


「やりますね先輩生徒会長

「皮肉かしらこの後輩泥棒猫

「いえいえ、それほどでも」


うわ、今にでもドンパチが起こりそうだ。


「これで決める」

「決めれるものなら!」


私は本気で投げる。

それを先輩は青色のショートを揺らしながら避ける。

外野からボールをキャッチするとそのまま投げると、

先輩が転ける。

そのままボールをキャッチして当てようとする。


「先輩これで私の勝ちです」

「そうだね、以外と本音をぶつけることは意外とよかったよ」


紗絵さんはボールをそっと当てた。

そして試合が終わった。

結果は1,2年生チームの勝利だった。

それから競技は進み次は学年別リレーだった。


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