第14話

今度は文化祭だ。

文化祭で僕らのクラスは出し物は喫茶店だった。

僕は料理が出来たので料理班になった。

紗絵さんのクラスは何をするかわからないけど昼頃に来てと言われたので昼頃に行こうと思った。


「さて始めますかね」


もちろん喫茶店なので色々メニューはある。

大体の素材は業務用スーパーで買って来ているのでそこそこ予算は抑えられている。

商品は色々あるけど中でも午前中だとフレンチトーストとコーヒーのセットが一番売れた。

午前中にもかかわらずたくさんの人がやってきた。

その中にはもちろん先輩や紗絵さんも含まれている。

この学校自体そんなに人があんまりいないので結構人がいても大体だれだか位はわかる。


「こりゃあ人すげえな」

「そうだね、まさかこんなに人が来ると思ってなかったよ」


そう、ほんんとに。

あれなんか見たことあるような格好をしている人がいた。


「あれサッキーさんじゃないですか」

「あれ、真田氏?」

「どうしてここに」

「ブログですな」

「そうですか」


どうやらここの喫茶店の料理がおいしいって言うことで途中から一般の人もぞろぞろと入ってきた。

うわあこれはペース的にあとどれ位だろうか。


「あの真田君交代の時間だよ」

「けど、人たりるんですか?」

「まあそこは私らが頑張るからさ」


なんだ、僕はクラスでずっと一人だと思っていたのに、

本当にこのクラスでよかった。


「それじゃあお言葉に甘えて」


僕は室長達に任せて僕は紗絵さんのところに向かった。

向かうと紗絵さんがメイド服を着ていた。

人は結構いる、それも男子女子問わず。


「お、来てくれたんだ」

「ごほん、お帰りなさいませご主人様」


何故だろうか、すごく似合っているし、ご主人様なんて。


「それじゃあ私が春君の接待しまーす」


こうして僕は紗絵さんに接待されることになった。

それにしても順番抜かしてもよかったのだろうか。


「それで春君は何食べる?」


メニュー表を貰う。

中には色々あったけど。


「じゃあこのメイドさんスペシャルセットで」

「スペシャルセット入りました」


え、何?

なんか紗絵さんが急にそんなこと言い始めるとケーキを持って来てもらった。


「ほら今日誕生日でしょ」

「あ」


そうだった、誕生日なんて誰にも祝われたことがなかったからとんでもなく嬉しくて泣いてしまった。


「え、ごめん春君ケーキ嫌だった?」

「ううん、違うんだ嬉し過ぎて」


僕はそれからケーキをたくさん人がいる中で紗絵さんに食べさせてもらった。

なんだかとても幸せな時間だった。


「おい、俺にもあれ寄こせや」

「すみません、あれは学校内のみでして」

「は!?ふざけてんじゃねえぞ」


そのとき紗絵さんが怒っている客のところに向かう。


「あの彼は私の彼氏なんですよ、なのであなたみたいな人のはやりませんし」

「あれは私が彼の為に作った物なんですなのでお出しできませんし他のお客さまへの迷惑になるのでお引きとりください」

「な、なんだと?!」


そのとき紗絵さんをその男が殴ろうとする。

僕は知らないうちに身体が動いていた。

片手で止める。


「彼女は僕の誕生日を祝ってくれたんです」

「それにあんたみたいないい大人がいちいち嫉妬心見せてくるな!」

「てことで帰れ!!」

「クソが!」


怒っていた人は帰っていった。

帰って行くと周りから歓声が上がる。


「ありがとう、春君かっこよかったよ」

「よかった無事で」

「怪我ない手とか」

「大丈夫だよ心配しないで」


二人は二人だけの甘ーい空間を作っていた。

文化祭が終わった後家に帰るとさっきの男の人が器物損壊罪で逮捕されていた。



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