第12話
リレーが始まると真っ先にかけだしたのは1年生だった。
そこから2,3年生が追い上げようとするがなかなか追いつけない。
僕はアンカーを任せられていたがここでも出番だった。
そもそも2年生は他の学年と比べても数が少ないので僕が選ばれた。
「頼むは真田!!」
「任せといて!!」
僕は最下位だったところをぐんぐんと抜かして行く。
前には先輩がいた。
「いやー早いねー」
「そりゃあまあ」
僕はそれだけ言い残すとすぐに次の人にバトンを渡した。
しばらくは2年生は1位だったがすぐ三年生に抜かされる。
だが終盤で青木君が出てくると一気に順位が上がった。
控えている選手達の歓声がすごいことになっていた。
「頼む冬木」
「任せといて」
青木君は紗絵さんに渡した。
「これでまあ確定だろ優勝は」
「そうだね」
紗絵さんは走っていて僕はこの後5番目なんだ。
紗絵さん頑張れ。
そのまま紗絵さんは1位通過して次に渡る。
だがそこで3年生が追い上げを見せてくる。
「速っ!?」
あれは3年の将先輩だ。
2年生を追い抜いて行く。
これは接戦になりそうだ。
2年生もペースを上げるが全く追いつかない。
もしかして3年生後半に陸上部を入れて来ていたのか。
あと1人。
次は僕だ。
「すまん真田」
「大丈夫任せて」
僕はもうゴールまで50メートルもないだろうと思う。
僕はここでスイッチを切り替えて陸上をやってきたことを思いだして駆ける。
「抜かせ!真田!」
「頑張れ春君!」
あともうちょっとー!!
「ゴール!」
「勝者は2年生だー!」
ふう、疲れた。
まさか最後の最後でもっと加速できるなんて思ってもみなかった。
それにしても勝った。
勝ったと油断していたら何故か視界が高くなる。
「へ?」
何故か胴上げをされていた。
高く上げられるせいか段々気分が、う、
「下ろして~」
「これで優勝だ!」
あ、これで優勝だったんだ。
緊張していて気づかなかった。
「優勝おめでとう!」
しばらく僕はしばらく揺らされていた。
だけどまだ知らなかったまだもう一種目あることに。
「さて最後にやってまいりました」
「最後の種目である恋のキューピッドである借り物競走だ!」
「うぉぉぉぉ!!」
野次馬達が騒ぎ出す。
あ、忘れていた。
これのお題で昨年大量の野郎が地面に泣き叫んでいた。
ああ今年もあの風景を見ることになりそうだ。
生徒会が調べた5人を選抜してこの競技に置いていかれるのだ。
「さていくぞ野郎ども」
何故か3年生の先輩型が以上にやる気だ。
「名前を呼ばれた人は出てきてください」
何故か呼ばれてしまった。
男子が5人出てくる。
「さあ今回は脱落者が出ずに済むのだろうか」
スタートすると地面に紙が下に落ちていた。
それを取ると、
「好きな相手をお姫様抱っこでゴールまで走る!」
僕は堂々と目的地に向かう。
「お嬢さん手を」
紗絵さんは自然な感じで手を重ねてくる。
「それじゃあ失礼」
僕はゴールまで駆けだした。
「お願いね私の王子様」
「もちろん」
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