第3話

こうして僕は冬木さんに引きずられて家に向かっている最中だ。

僕は何故引きずられているのだろうか。

ていうか何故この人僕の家を知っているのだろうか。

このまま引きずられているとある日のことを思い出した。

そういえばそれは今年の夏のことだった。

そうその日は夏で一番確か暑い日だったような気がする。


「アツー」


手で扇いでいると何故か視線を感じていた。

ここは街の公園で噴水のそばで僕は部活の後死にそうになりながら手で扇いでいた。

今日は薄着で肌はちょっと透けていたかもしれないけど。

イヤじーっと見てくる人がいた。

帽子で顔と髪の毛の色までは見えなかったんだけど多分きれいな人なんだろうなーと思っていた。

まあそんなことはよくて、

多分だけどさこの人だったんだと思うんだよね。


「どうしたの真田君?」

「いえ、なんでもございません」


もしや悟られたか。

イヤ僕は母さんにすら表情が読めないと言われたくらいだぞ。

紙が落ちる。

それを拾うと何故か僕の写真収みたいのが出てきた。

え?何これ。


「あの冬木さん、これ」


写真集?を見せると顔を真っ赤にすると取り上げてくる。

そのまま壁にぶつけられると。


「へぐぁ!」

「な、なに?!」

「へーこれ見ちゃったんだー」


ニコニコしながら攻め寄ってくる。

怖いって陸上の監督ぐらい怖い。

ネクタイを握ってそのまま引きつけられる。

そのまま顔が近づいてくるが勢いよく立つと顎に当たる。


「痛い」

「ああ!ごめん冬木さん」


本当に痛そうだ。

どうしよう、また怒らせちゃったかな。


「まあいいかなじゃあおんぶして」

「え?そんなので許してくれるの?」

「もちろん私はあなたの彼女なんだから」


彼女か、何故か妙に輝いて見えた。

僕はそのまま冬木さんをお姫さま抱っこしてそのまま走ってそのまま家まで帰った。

何日かぶりに走った景色はいつも通る通学路が全く別の景色に見えた。

その後家に帰ると母親がいて、冬木さんが降りて母親の方に走っていった。


「私は春と付き合わせてもらっています冬木紗絵と言います」

「まあ挨拶がちゃんとできるだなんて偉いわあ」

「なんかキャラちがくね」


母さんのキャラが何故か違う。

どうしたバグった?

眼が輝いている。


「家にどうぞ」


こうして僕は家に帰った。

まあ家なら大丈夫だろ。

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