第6話

僕は冬木さんの話を聞いていた。

冬木さん、あの時いたんだ。

僕はあの時盛大に転けた。

あれを見られていたと思うとすごく恥ずかしいとおもった。

だけど確かにあの時誰かに応援されていたような。


「それから私は彼のことを探していました」

「同じ学校のことは知っていたんですけど何せ学校はクラスが多いですから探すことが大変でした」

「まあ内の春愛されてるわー」


や、やめてくれ、なんか恥ずかしい。

それにあんな姿を見せた僕を好きに思ってくれるなんてちょっと嬉しいかも。


「それに彼は私のこと知っても平然としてますし他の人に対しても優しいですし」

「なにより可愛いですから」

「可愛いね、確かにあの子感情表現豊かだもんね」


何故か褒め殺しされそうだったので僕は扉を開けるだがドアの隙間に足を引っかけて転ける。


「いてー」

「大丈夫春くん」

「うん大丈夫」


僕は冬木さんに手を貸してもらいそのままあっち上がる。


「もしかして聞いてました?」


ドキッとくる。

顔が近い。


「聞いてた、」

「そうですか」

「あら私お邪魔かしら」


母さんはリビングでくつろいでいた。


「じゃあ今日はもう帰ります」

「お、送っていきますよ」

「それじゃあお願いします」


僕は冬木さんを家に送って行った。

僕は黙って歩く。

彼女は幸せそうな顔をして歩いていた。

あ、プレゼント渡さないと。


「あの冬木さんこれ付き合った記念」


僕はあのおばあさんに貰ったペンダントを冬木さんに見せる。

冬木さんは手を口に手を当てていた。


「ま、まさか指」

「ペンダント」


少し冬木さんはガクッとなってたがすぐに気を引き締め始めた。


「これどうぞ」

「ありがとう」


よかった喜んでくれた。

冬木さんは顔の顔がニコッとなった。

初めてのプレゼントだったけどこんなにも喜んでもらえるなんて思ってもいなかった。


「これつけてくれない」

「う、うん」


僕はラピスラズリで出来たペンダントを冬木さんの首につけてあげる。

冬木さんのうなじを見ると少しドキッとした。


「どうしたの?」

「いやなんでもないです」


首につけてあげた。


「できましたよ」

「どう似合う?」


冬木さんの青い目と同じ色ですごく似合っていた。

この人が僕の彼女か。

中学の僕にこんなこと言っても信じてもらえないよね。


「似合ってますよ」

「そう、ありがとう」


冬木さんがそのままくるりとまわるとスカート中が見えた。

何やら真っ黒の下着が見えた。


「見た?」

「そ、その可愛いらしいのだね」

「わ、忘れて」

「じゃあこれで忘れて」


その時キスをされる。

熱いキスを。

舌にねっとりと唾液を混ぜてくる。

ヤバい腰が抜ける。

あれ、襲われる?


「これでね?」

「は、はひー」


キスされちゃった、なんか恥ずかしい。

なんかヤバいよね。

冬木さんの虜になったみたいだ。

冬木さんの顔が頭から離れなくなった。




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