第16話秋葉原デート

 

 5月3日、憲法記念日。トレーニングは軽めにして、昼食前に秋葉原へ遊びに行くことになった

 桜花が「せっかくの連休ですし、秋葉原デートを致しましょう! 予算もありますし」と提案したのだ。

 我が家の憲法、桜花。異論は、無い。


 俺達が住んているところは目白。そこから秋葉原までは電車で21分だった。


(聖地として有名な秋葉原。だが、一人では絶対来ないな)


 電車で21分とか遠いのだ。


(オタグッズなんて通販で買えるしなぁ)


 秋葉原はもはや、お上りさんと外国人の観光スポットとして、一度くらいのぞきに行ってもいいかってくらいの場所だ。




 まず目指すは、アトレ秋葉原。雑貨や服などを見る。


「ゴールデンウィークで人も多いですし、お互い迷子になっては困りますから」


 桜花が手を差し出すので手を繫ぐ。まぁ、恋人繋ぎってやつ。桜花がベッドに潜り込んで来て以来、なんか桜花を意識してしまうのだが……そんな素振りは微塵も見せない。


 休日の店内は、とても混んでいる。


「まずは、服選びを手伝って貰っていいですか?」


「いいよ」



 はいったのは、少しガーリーな感じのお店だ。

 桜花は、とても楽しそうに服を見て回っていて、こちらまで楽しい気分になる。


「これとこれなら、どっちがいいですか?」


 これでもないあれでもないと、散々迷った挙げ句、15分程して、買う服を2つに絞ったらしい。


 おそらく。正解が決まっていて、二択を外すと爆死する地雷系彼女プレイかな?

(あなたなら、私の好みわかるよね)って試されてるやつ。




「外すと罰ゲーム?」


「罰ゲームですか……今日の夜ご飯が湯漬けと漬物だけになるかもです」

 いたずらっぽく笑う桜花。


 周囲の人間は、生温かい視線を俺達に向けている。

 

「なにあれ。付き合いたてのカップル?可愛いすぎない?」 


「あんなお人形さんみたいな綺麗な顔して、性格も素直で優しそうで、実はニッコり地雷系?」


「夜ご飯の話しをしてるし、兄妹かな?」


「二択をはずすと、湯漬けと漬物だけの晩ごはんになるとかウケる」

 

「なんか、容姿も似てるもんねぇ」


「兄妹にしては、あの齢で仲良すぎ〜」


「さっきまで手繋いでたし、恋人繋ぎで」 


「まじ? インモラル?」  


「義理の兄妹なんじゃ?」 


「バッカ! 実の兄妹だからいいんじゃん!」


 ――よくねぇよ!



 大学生くらいの女子3人組がひそひそ話しているのが聞こえる。



(恥っず)


 インモラルではないが。


 まぁ、せっかくの遊びだし付き合ってやるか。


「正解したら、どうなる?」


「その服を来てアキバをめぐり、晩ごはんは外食です。そうですねぇ……食事が美味しくて特にメイド手作りのオムライスが絶品!と評判の老舗しにせメイドカフェとかどうです? もちろん、女の子も服もとっても可愛いと評判ですわ」



「……メイドカフェかぁ。やってやるぜ!」


 (秋葉とくればコンカフェだよな!)って思う俺は、田舎者だろうか?


 しかし。桜花のリサーチなら、間違いない。俺の好みを知りつくしているだろう。


「メイドカフェでやる気がみなぎりましたね。さぁ、どっち??」


 ジト目で2つの全く違うタイプのワンピースを掲げてみせる桜花なのだった。



※[作者注]

桜花にどんな服を着せたいですか?ご意見ご感想をお待ちしています。

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