第10話桃矢改造計画2
我が家へ勇太と一緒に帰宅する。正確には、親のマンションだが。
「ただいま」
「おじゃまします」
「おかえりなさい。ご飯にします? お風呂にします? それとも……わ.た.し!?」
「お風呂。ていうか、君の家じゃないから!」
エプロン姿で出迎えてくれた真夏にツッコむ俺。
「そうです! それ、わたくしのセリフです!」
頬を膨らませて抗議するエプロン姿の桜花。
(桜花よ。お前のセリフでもないよ。“わ.た.し”なんて選択肢はないから)
まあ、定番のギャグだし。言いたくなるのも、わからんではないが。
♠
勇太と一緒に風呂に入った。野郎と一緒に風呂に入っても、嬉しくもなんともない。
「いいお湯だった。風呂も広いね」
「親が夫婦で一緒に入るからな。湯船も特注品だよ」
「へぇ。ご両親、仲いいんだぁ♪」
真夏がまぜかえした。
「ええ。わたくし達が呆れるほど」
「君達は、一緒に入らないの?♪」
俺と桜花を見てニヤニヤしながら言う真夏。
「入るか!」
小さい時は、一緒に入ってたかもだが。いや、入っていたな。小学校低学年くらいまで。
「今度、お背中でもお流ししましょうか?」
「桜花も、のらなくていいから」
桜花の場合、本当にやりそうで怖いんだけど……。
「じゃあ、トレーニングを頑張ってこられたであろうお兄様のマッサージと添い寝してよしよししながら子守唄も歌って差し上げるサービスはいかがです?」
「添い寝と子守唄は、いらん!」
「マッサージは、してほしいんだ」
勇太ものってきた。
「それは、まぁ。うん。……冗談はそれくらいにして、食事にしようぜ」
こいつらのノリ、なんか疲れた!
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