逃亡オーマ　カイ

遂に人類再利用法律が施行された。

引きこもり、精神疾患者、犯罪者、社会脱落者を、親族の同意を得て、強制的に自動人間（オートマン）化させる法律だ。前頭葉にAI搭載電気刺激装置を埋め込まれた人間は意思がなくなり、プログラムされた行動を黙々と繰り返す事になる。少子化と労働人口の減少から、政府は遂に、社会脱落者の労働搾取の強制施行に乗り出した。自動人間と化した意思を奪われた社会脱落者達は、『オーマ』と呼ばれるようになった。

カイは中学生の時に、些細な事から虐められ非登校となって自室に引き籠る生活を強いられていた。いつかまた元通りの生活に戻る事ができる。そうカイは信じていた。だが、カイが、引き籠ってから1ヵ月後、自室に数人の男性が押し入って来てカイは気絶させられた。

カイは、狭く真っ白な空間で目…続きを読む