三十路無精髭と銀色子狐の織りなす、ほのぼの日常系。ひらがなに酔いしれろ

三十路の無精髭が銀色の子狐を拾うことから始まる、ほのぼの&お料理&砦の仲間たちとの日常&これからほんのり薫るであろうラブ要素の詰まった、とってもかわいらしいお話です。

本作の主人公ダズことダズリーは、とある革命家たちが集まる砦に身を寄せる料理人。自身もつらい過去を抱えつつ、砦に住む皆の食事を作ったり、裏の畑で簡単な野菜を作ったりして生活しています。
一見のんびり過ごしているように見えるダズですが、心の奥にはまだ消化できていない過去の喪失が燻っており、その思いを抱えたまま生きていくのだと彼自身も自覚しているよう。
そんな彼の元に、何ともかわいらしい狐の獣人…ではなく本性は魔族なのですが、とにかくかわいいヒナという少女が転がり込んでくることで、彼の渇いていた心に少しずつ新しい風が吹き込んでくる……そんなあたたかいお話。

……なんですが……。

細かいことはいいのです!
いや、よくないけど……そういうシリアスなお話は本編の方で楽しめるので(本編はダズではなく、この砦のリーダーたちを軸にした重厚なファンタジー)こちらでは、全編癒やし全開! もふもふとおいしそうな料理と少女たちの楽しい会話に温かい気持ちになって下さい!

個人的に是非ともお勧めしたいのは、ヒロインであるヒナちゃんの超☆絶!ひらがなオンパレード!! 読めばわかる! このひらがなの破壊力! ヒナちゃんが喋るたびに、読者の心は鷲掴みにされ、口元はだらしなく緩むでしょう。

そしてもうひとつのお勧めは人外描写ですね! ヒナちゃんも、そして砦にいる人も人外多いんですが、それより何より私のお勧めは火蜥蜴です!
オーブン料理に欠かせない彼ら3匹の動きがもうかわいいのなんの! この作者様はほんっとうに人外描くのお上手なので、そこも楽しみの一つになります。えぇ、絶対!

タイトルに「革命砦」ってついてるからシリアスなお話なのかなって思うかもですが、こちらはスピンオフのお話でもあるので、シリアスよりは日常系のほのぼのしたエピソードが多めです。
読み終わった後はほっこりできるので、ぜひこの寒い冬にこちらの作品で心をあたためてみてはいかがでしょうか。

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