第5話

「近づきすぎじゃない玲奈?」

「ん?どうしたのおにいちゃん?」

「隣で寝るのはいいって言ったけど、これは

抱き着くっていうより絡まってるよ!」


なんでこんなことになっているかというと

俺が風呂にはいっているときまで遡る。


「お兄ちゃーん、今から玲奈もはいるから

まっててねー」

「まって!なんで入ってこようとしてるの!?」

「いままでお兄ちゃんと全然話せなかったんだよ?

これからたくさん絆を深めなきゃ!」


たしかに今まで全然話してなかったし、可愛い妹が

仲良くなりたいって言ってくれるのはうれしい気持ちもある、

だけどさすがにいつも一緒というのはちょっと困ってしまう。

だから折衷案として寝るときは一緒に寝ようということに

なったのだ。そして冒頭にもどるのだが


「ごめんなさい、やっぱりこんな可愛くない女に

急に抱き着かれてもいやだったよね…」

「ううん、玲奈は可愛いよいいお兄ちゃんになるって

言ったのに、ごめんな。ほら、こっちにきて?」

「うん、ありがと。お兄ちゃんだいすき!」

「俺も、大好きだよ」


そして玲奈が抱き着いてきて、頭をなでてほしそうに

こっちを見てくるから、優しくなでてやる。


「えへへ、しあわせ~」


頭をなでているときにふと気になったのできいてみた。


「玲奈は、前の俺に戻ってほしい?」


すこしの沈黙の後ゆっくりと答えてくれた。


「……ううん、昔のお兄ちゃんは周りの人をだれも近づけない

みたいな雰囲気がでてて、とても怖かったの。だからこんなこと

いっていいのかわからないけど、これからはずっと今の大好きな

お兄ちゃんでいてほしいの…」

「よかった、もしも昔の俺にもどってほしいと思っていたら

どうしようって悩んでたんだ」

「これからは、玲奈が大好きなお兄ちゃんでいてくれる?」

「あたりまえだろ?もっと好きになってもらえるように

がんばるよ」

「じゃあほっぺにチューして?」

「いいよ」


玲奈のほっぺにチューしてやると、とても幸せそうな顔で

つよく抱きしめてきた


「大好きだよお兄ちゃん、おやすみ」

「ああ、おやすみ」


玲奈とたくさん話すことができて、この世界に対しての

不安が少しすくなったきがする

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る