第13話 桜ヶ丘学園
「井田先生、宮原くんの様子はどうだった?このままクラスに馴染めそう?」
「はい、彼の様子を特に注意して見ていましたが、たくさんの生徒とコミュニケーションをとり、緊張している場面もあったと思いますが、比較的スムーズに会話できていたと思います」
校内にある小会議室では、今日から学校に復帰した、宮原くんについての話し合いが行われていた。
「それはいいですね、これで1人いなくなった穴を埋めれたのではないでしょうか」
「いやいや、彼の穴は埋めれたかもしれないが今まで以上に浮ついてしまう可能性がありますね」
「確かに、彼は誰から見てもカッコいい子でしたね、あれだけ華がある子なら、男子の調整はしなくてもいいんじゃないかしら」
「そうですね、配置換えは小さくない悩みの種だったから助かるわ」
男が少なくなっているこの世界において、学校とは少ない異性とほぼ毎日交流できる数少ない場なのだ、さらにこの学校は成績順に1組から並んでいるため、1組となった人達へどのくらいの男性と同じクラスにするのか、逆に成績が悪かった人たちにはどう対応するのかいつも悩まされているのである
「彼は、今日から復帰のため新しいことや分からないことがたくさんあると思います。すぐにまた休学、ましては辞めることがないように取り組みましょう」
☆
ここでこの学校についてわかったことの話を少ししよう
俺が通っている桜ヶ丘学園には「男子優遇制度」というのがある特殊な私立学校である
男子優遇制度とは男子生徒にとっては学費が免除、就職や進学の補助、それに家庭の事情(俺が休んでたのもこれに含まれる)など色々なことを配慮してくれるありがたい制度だ
しかし女子にとっては少し違う、この学校には男子が多いとはいえ、さすがに人数には限りがある、そのため1組から順に成績上位者が選ばれて、男子が多いクラスに決まる、こんな感じの仕組みだからこの学校の女子って頭がいい人ばかりなんだって
この仕組みがいい刺激になって、毎回毎回クラス分けテストのたびに熱烈な競争が繰り広げられるそうだ。
だけど、全員が全員男子が好きなわけじゃないよね、そんな人たちのために女子だけの学校もちゃんとあるんだって
女子校だったらわざわざ学費の高い私立を選ばなくても超進学校や歴史あるお嬢様学校まで選択肢はいろいろあるらしいよ。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます