第18話 相合傘

授業が終わり、制服に着替えて帰りのHRが終わる頃に、窓の外が暗くなってきた。


うわっ雨降ってきたじゃん、予報みとけば良かった〜


「やべっ、俺今日傘持ってきてないわ。」


「妹は?中等部にいるんでしょ?」


「いや、今連絡したら今日は部活があるって、後折りたたみの小さいやつしかないらしい。」


「宮原って帰る方向駅だよな、俺も一応傘持ってるけど方向真逆だわ、すまん。」


「大丈夫、ありがと。だけどどうしようかな。」


俺が困っていると、女の子が話しかけてくれた


「あの、宮原くん!私傘持ってるし帰り道も駅の方向だから一緒にいきませんか?」


その子は綺麗な黒髪をおしゃれなポニーテールに纏めているのが特徴の塚田凛さんだ


「俺はありがたいけど、大丈夫?迷惑じゃない?」


「うん!ぜんっぜん大丈夫だから。遠慮しないで入って!」


「じゃあ、お願いしようかな」


前の世界でも経験はあるけど、こんなに可愛い子と相合傘ってすごい緊張するな。会話が続くようにがんばろ、そしてできれば仲良くなれたらいいな。



玄関口に着くと、雨は次第に強くなっているのがわかった。


靴を履き替え、玄関を出ると塚田さんが黄緑色の綺麗な傘を持って待っていてくれた。何か、塚田さんの持ってる傘1人用にしては大きくない?まぁいいか。


「ごめんね、少し待たせちゃって」


「ううん、じゃあ行こっか。」


塚田さんは、俺の全身が傘に入るようにがんばって腕を伸ばしてくれている。その姿も可愛いんだけど流石に申し訳ない


「まって塚田さん、俺が傘持つよ。」


「いいの? じゃあ、お願いしよっかな。」


「うん、まかせて。」


俺が傘を開くと、塚田さんが少し緊張した様子で傘に入ってきた。そんなに遠慮しなくてもいいんだけどな、気持ちもわかるんだけどね。


「塚田さん、肩が濡れてるよ。もうちょっとこっちにきて?」


「は、はい!」


大きいといっても傘なので、雨に濡れないように近寄ると、肩があたってしまう。


なんで女子って体育の後なのにこんな良い匂いするんだろ、何か付けてるっていうより、自然な感じのいい匂いなんだよな


「あっ、あの!」


......ってやば、キモイこと考えてたのばれた?


「どうしたの?」


「宮原くんってサッカー上手なんだね。」


「もしかして、今日の見てた?」


「う、うん。私は苦手だからよくわからないけど1番上手いって思ったのは、宮原くんだったよ。声を出して応援もしちゃった」


塚田さんも応援してくれてたのか、せっかく応援してくれたなら、一位になったところ見せたかったかも


「ありがと、でも見せるなら1番になったところを見せたかったな」


――――――


この世って結構時間作ろうと思わないとないんですね、学校に行ってバイトして帰ってくるともう夜になってるし、これからはテストも始まるので余計にそう感じます。

ちょー長くなるかもしれませんが絶対に続けますのでよろしくお願いします

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