第17話 初めての体育
今日の授業は体育だ、給食の後はどうしても眠たくなってしまうので、正直助かる。
「宮原〜早く行こ〜」
どこで着替えるかわからなくて、教室にいると坂田が話しかけてくれた。この学校には男子専用の更衣室があるらしい
正直、男子更衣室って聞いて結構汚くて汗臭いのかなと思ってたけど、実際に行くと色々な自販機やシャワー室も完備さらにはちょっとした休憩スペースなんかも設置されていた。
「ここにあるものって誰でも自由に使っていいの?」
「そうだよ、シャワー室も自由に使えるし、この学生証があれば自販機のものも無料だよ。」
「まぁ、これも男子だけなんだけどね。」
男子専用だとしても私立って凄いな。
体操服に着替えた、ってかこの身体すごいな。
今まで引きこもりだった筈だけど、綺麗に筋肉がついてるし贅肉も一切ない。しかも、なんかよくわからないけど一心同体っていうか、想像した動きは全てできそうな感覚。アウトドアっていうわけではないけど、運動も好きなので正直助かる。
☆
今日の体育は男女でサッカーらしい、だけど男女混合で試合とかではなく、男子は基本的なパスとかで女子だけ試合とかをするらしい。色々な事情があるんだってさ
「宮原って運動得意なの?」
「好きな方ではあるけど、そんな得意ってほどでもないかな、金森は?」
「俺もそんな感じかな、だけど自分で進んでやるほどではないかも。」
「俺は、運動苦手かも。てか男子はインドア派の方が多いかもね、子供の頃は親から、外に出たらダメって言われることが多いからね」
確かに、男子が貴重な世界は誘拐とかのリスクが前の世界以上にあるから、あまり外に出してもらえないのか。
「はい!全員集合してください。男子はいつも通り自主練で、女子は早速試合から始めてください。」
早速自主練か、みんな何やるんだろ
「じゃあ、久しぶりにリフティング対決でもするか?」
「よし、やるか」
「おっけー、今回は負けないからね」
「いや、今回も俺が一位だね。宮原はリフティングできる?」
リフティングとは、サッカーのテクニックのひとつで、足や腿などを使ってボールを地面に落とさないようにすることだ、俺は前世でもサッカーをやったことがあるしこの身体でどこまで記録を伸ばせるか正直楽しみ
「一応できるよ、練習とかはやる感じ?」
「時間もあるしちょっとだけ練習してからやるか」
各々が少し練習をして始まる時間になった。一斉に始めて1番長く続けれた人が勝ちというルールだ。
「じゃあ始めるか、よーい...スタート!」
男子はインドア派が多いって聞いてたけど普通にみんなできてる。その中でも金森と太田が安定してるな
「あっ!ミスっちゃった〜」
「くそっ、俺も終わりか。30回いかなかったか。」
「てか、金森と太田が上手いのは知ってたけど、宮原もうまいね」
「確かに、一定の高さで1番安定してるのは宮原かもな」
「でも、まだまだみんなミスらなそうだね」
俺も足が疲れてないしまだまだできるかなって思ってたけどこの大会は意外な形で終わりを迎えた。
『じゃあ行くよ、せーの!』
「「「宮原くん!金森くん!太田くん!頑張って〜!!!」」」
意識していないタイミングでの女子からの声援に驚いてしまった俺と金森はボールのコントロールがブレて同時に落としてしまった。
「くっそ〜、今回は太田の勝ちか」
「俺もいけると思ったんだけどなぁ」
「俺は普通に落としそうになってたから今回は女子の応援に助けられたかな」
そう言って太田は女子たちに手を振っている、今回のリフティング対決は負けちゃったけど楽しかったな。
そうして、体育の時間はあっという間に過ぎていった。
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