第6話 クリスマス

「今日はクリスマスイブですがな、かなたくん。」


「あ?なぎさは彼氏とイチャコラやろ。」


「それな。」


「うざ(笑)。」


駅に向かうまでの道のりでの会話。


クリスマス一色の街並みはとても綺麗でイルミネーションも輝いていた。


電光掲示板には、電車の遅延が表示されており、お互いにかなり待つことになった。


私は彼氏に連絡を入れ、駅まで迎えに来てもらうことになった。


かなたくんは親御さんが迎えに来てくれることになった。


とはいえ、そんなすぐに迎えが来るはずもなく、駅の構内はかなり寒い。


時間をどこかで潰すことになった私たちは、とりあえず飲み物を手に入れるためにスタバに入った。


「どうする?混みすぎてて座れんよ?」


「ええんちゃう?あったかいもん頼んでとりあえず上行こや。」


私はホットの紅茶、かなたくんはブラックコーヒー。


駅の4階にある、少し座れるスペースに移動して身体を暖めることにした。


「よく飲めるね、そんな苦いの。」


「どの口が言うてんねん。酒の方がまずいやろ。」


「お酒は酔えるから美味しいんです~。」


「イキってんなあ。」


「うるさ。」


「帰ったら何すんの?」


「ゲーム。」


「いつも通りだね。」


「相手がおらんからな。」


「今は恋愛はしないの?」


「好きになるときがないとな…。」


「早く見つかると良いね。」


「少なくとも同じ高校のやつは無理やな。」


「出会いないじゃん(笑)。」


「ほんまやで。」


かなたくんの携帯から通知音。


「ほな、お楽しんで(笑)。じゃあまたな。」


「はいはい(笑)。気を付けて帰るんだよ。」


かなたくんなりに気を遣って、座る距離を離してくれたことに気づいてありがたいと思った。

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