第5話 寝ろよ

眠りにつこうとすると、かなたくんから電話が来た。


何かした覚えもなく、理由がどういうことなのかもわからず、とりあえず出た。


「もしもし、どうしたの?」


「今、大丈夫か?」


「うん。」


「あんな、俺彼女と別れたわ。」


相談を受けた日から少しばかり日が経つが、結果は離れることを選んだのかと合致がいった。


「そう。」


「なぎさには相談してたし、報告しようと思ったんよ。」


「良かった…でいいのかな?」


「ああ。」


「改めて、良かったね。とりあえず今は休んだら?」


「誰かと話していたい気分やねん。」


「それ私じゃないとダメなの?」


彼氏のこともあり、異性と長電話は怒られるかな?と思い質問をした。


「色々あって、なぎさがええねん。あかん?」


色々、を聞きたいところだったが答えてくれそうもないため、あまり長くならないようにお願いをして電話をすることになった。


「彼氏さんとはどうなん?」


「普通。」


「イチャコラしとるん?」


「言い方(笑)。まあ、人並みにはしてるよ。」


「近いってええなあ、いつでも会えるやん。」


「私も遠距離経験あるよ。」


「そうなん?」


「うん。遠距離になってすれ違って振られて終わり。しかも花火デートの前日。」


「えげつないやつやな、そいつは。」


「まあでも空気で分かるじゃん。」


「別れたから言えるけど、女からすれば分かるからね。言わなくてもこいつの気持ちは自分に向いてないって。」


「…せやな。」


「そやけど、別れてくれんかったのは向こうやで?」


「そりゃ、別れたくないってすがったら惰性でも一緒にいてくれるんだもん。簡単に離さないよ。メンヘラなら特に。」


「初手が悪かったんやな、俺は。」


「そうね。」


「私は面倒だからすっぱり切られる方が楽。」


「なぎさは経験豊富やな。」


「1歳年上だもん(笑)。」


「たかが1歳やろ?」


「それでも、かなたくんは可愛い男の子って感じだよ。」


「嬉しないねんな~可愛いは。」


「かなたくんは、頭の回転が速いからその分疲れると思うけど、周りが見れてすごいよね。それは年齢とか関係なくいいと思うよ。」


「…それは嬉しいわ。」


「良かった、素直に受け取って。」


「ありがとうな。」


かなたくんが少し気楽になっているようで良かった。

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