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修学旅行で富士山に登ることになった。高校でも事前に富士登山のためのレクチャーを受けた。日本大好きイレーヌちゃんも、高校生の時に、みんなと富士山に登れて、めっちゃ喜んでいる。
5号目までバスで行って、そこから歩いて頂上を目指した。イレーヌちゃんと手をつないで、歩き出した。途中で雲を下に見たりして、見事な景色にイレーヌちゃんも感動してる。大きな鳥居が立ってて、そこをくぐったら、もうすぐ頂上みたいだわ。
イレーヌちゃんといっしょに鳥居をくぐったら、急に白く濃い霧がフワーッとかかってきて、あたり真っ白で、イレーヌちゃんのことしか見えなくなってしまった。まわりの、いっしょに富士山に登ってた人も、まわりの景色も、何もかも真っ白で、目の前のイレーヌちゃんしか見えなかった。
イレーヌちゃんとボクは2人抱き合って、それから静かに霧の中でキスした。日本大好きイレーヌちゃんの、富士山での想い出にと、イレーヌちゃんと静かに優しくキスした。いつまで待ってても、しばらく白い濃い霧のままだったから、2人でずっと抱き合ったまま、何度も何度もキスしていた。
それから、また急にサーッと霧が晴れていって、もとの富士山の景色も戻ってきた。まわりの人たちも見えるようになって、みんな、わーわーきゃーきゃー騒ぎながら、富士山を降りて行った。イレーヌちゃんとボクも手をつないで、富士山を降りた。急にやって来た白い霧に、何か、めっちゃ霊的なものを感じた。富士山に登って来た、みんなのことを歓迎してくれてるかのような、神々しく、清らかな、真っ白な、きれいな霧だったように思えた。
お土産屋さんで、富士五湖の丸くて緑の可愛いマリモがあったから、富士山の記念に買って帰った。
宿泊先で、イレーヌちゃんといっしょに富士山の絵を描いた。富士山のきれいな形のよく見える宿泊先だったから、イレーヌちゃんも富士山の裾広がりの形に感動して、いっぱい絵を描いていた。一瞬で撮ることの出来る写真も良いけど、自分の好きな画材を使って描く絵も、また良いものだなあと思った。
夜には、やはり2人だけになれる場所に行って、イレーヌちゃんと2人抱き合って、富士山のふもとで、富士山を見ながらキスをするっていう想い出もつくった。
日本大好きイレーヌちゃんにとっては、やはり日本でいちばん高い山である富士山に登れて、富士山を間近で見れて、めっちゃ感動してるみたいだし、ボクと同じ高校で、日本の本当の高校生になれて、イレーヌちゃんも日本に来れて良かったんやろなあ~って思った。
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