[2]

イレーヌちゃんのパパはフランス人、ママは日本人。火星で出会って、恋に落ちて、火星で結婚したらしい。今はパリで、火星に関わる仕事をしているみたい。


小学2年生の時のことよ。

授業もおわって、放課後。

「よ~しっ!今日はイレーヌちゃんと一緒に家に帰れるわーっ!やったーっ!」

て思ってたの。

そしたら先生がいきなり

「今からなぞなぞ大会やるよーっ」

て言って、クラスでなぞなぞ大会はじまってしまったのよ。

「ええーっ!いきなり~っ!早くイレーヌちゃんと帰りたいのに~!」

て思いながらも自分の番になったので ちょっとドキドキしながら前に出て行って、その場で何とか思いついた なぞなぞを出したわ。

「食べると安心するケーキはな~に?」

みんな いっせいに ハーイ ハーイって手を上げてくれた。

イレーヌちゃんを「はいっ」って指名したの。

「え~、わたし手、あげてないのに~」っていうから

「だいじょうぶよっ!食べると、ほっとするケーキだから」

てヒント出したら

「あ~!ホットケーキだああ!!」

って言って、ボクのほっぺにチュッチュッてしてくれたわ。


小学3年生の時に、イレーヌちゃんの家族とボクの家族とで、ニースに行って、イレーヌちゃんと2人でシャガール美術館に行ってみたの。全館、シャガールの世界だったわ。ピアノにも、シャガールの絵によって、きれいに装飾されていた。ニースで泊まったホテルがめっちゃ可愛くて良かった。窓からも地中海が広がって見えていた。


電車でカンヌまで行ってみたの。カンヌの高台に登って、カンヌの街を一望してみた。カンヌの海は白い砂浜がめっちゃきれいだったわ。

それから、モナコのモンテカルロに行った。景色がすごすぎて圧倒された。


ついでにアルルを経由して、セザンヌさんのアトリエにも行ってみた。キャンバスやら、絵の具やら、筆やらが当時のまま、アトリエの中に散りばめられていたわ。キューピッドの置物や、リンゴまで置かれてあった。


それからアヴィニョンに行って、川にかかってる橋を見に行ったの。イレーヌちゃんとボクと手をつないで歩いてたら、フランスのお兄さんとお姉さんのカップルに「橋って、どこか知ってる?」って聞かれた。それで「あっちだよ!」って言って指差して教えてあげたら、「メルシーボークー」ってお礼を言って、そのお兄さんとお姉さんは嬉しそうに仲良く橋のほうに歩いて行ってた。デートしてるのかな?って思ったわ。

それから、TGVの電車に乗ってパリまで戻って来た。


小学4年生の時に、イレーヌちゃんとボクの家族とで、ロワールの古城巡りに行ってきた。大きなロワール川のほとりに古城がいくつも点在していて、たまたま行ったところに、レオナルド・ダ・ヴィンチさんのお墓があったの。

イタリアの人だから、なんでフランスのロワールの古城にあるのかなあって思ったら、晩年にロワールの古城に招かれて、そこでずっと過ごしていたんだそうなのよっ。

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