​地球を広く​征覇した男の​歴史を​、​天をまう鷹の視線で俯瞰する。


だがこの鷹の視点はひとひとつの人生にもピントがしぼられる。
主人公、その敵、自軍、そしてそれぞれの家族たちの行動・心理の描写は
存在の体温が感じられるほどに優しく人間味にあふれてあたたかい。

大陸を飲み込みながら大河をかき混ぜながら疾っていく風のように、人を制し軍を征するチンギス・カンの時代
伝え継がれて今ここにその世界まるごとが、描き出されている。

作者の目線は高い、力あるからこそはばたきおだやかな
天をわたる鷹のように。


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