ひと目でほのかに輝くショートショートを 花束で。

彼のなかにあるわたしのぶんのささやかな余白、ぬばたまの黒より深く誘い合う肌、ひだまりにぴんと猫しっぽ、母の荷にあふれる想いで、大人の花色をした恋、青星を頼りに旅をしていた……

センテンスも美しく、いろとりどりに咲きあふれる、すべてショートのストーリーたち。
ひとつの鮮やかな恐怖の組み立てに満足した読後感で、次をひらけば
ひろびろとした世界に生きる猫たちの会話にあたたかく心を癒され、ほっこり気分でページをめくると、完璧な怖いタイトルへの覚悟を裏切り感動ひろがる物語。いくつものメッセージがこころにのこります。

ただ一目でもほのかに輝く、極短編の花束を
胸に抱かせてもらうようです。

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