概要
この街は僕の死体でいっぱいだ
死にたがりの僕は、毎日死のうとしている。
でも死ぬことができない。勇気が無いから。
そんな死にたい主人公の、妄想の話。
でも死ぬことができない。勇気が無いから。
そんな死にたい主人公の、妄想の話。
おすすめレビュー
新着おすすめレビュー
- ★★★ Excellent!!!自らに問う。自らを、問う。
僕は毎日死んでいる。ほら、今日も僕の目の前に電車がやってきた。もう少しもう少し。僕は死んだ。そして死んでいない。織り成す矛盾を繰り返す、僕の一日のお話。
まず、主人公である「僕」の置かれた状況はたいへん深刻だと思います。レビュー主である私は「死」が怖い。いつか死ぬのが怖いのです。だから自殺をしようと思ったことは一度もありません。だから私にとってこの作品は、自分が歩けなかった場所を歩けているような、そんな感覚をもたらしてくれました。
「僕」の状況と行動は日常からかけ離れているのですが、「僕」は私たちと共有できる感情も持ち合わせています。異常……と呼んではいけないのかもしれませんが、異常と正常…続きを読む - ★★★ Excellent!!!いつだって死ねるんだから
何度だって死ねない。
死ねない主人公はずっと妄想の中で死んだ自分に「意気地なし」と罵られ続けて生きています。
こういうことがあると余計苦しいかもしれないんですけれど、そういう妄想の中で自殺しないと現実でストップが掛からないってことはあると思うんです。人によって違うと思うので一概には言えないんですけれど。
死について語ることは実際問題生きているうちにしかできないことなので、忌避すべきではないと私は考えます。
死んでからは「死にたい」も言えない。
だったら「死にたい」という言葉は生きている人のためにある。
この作品は、そういう言葉であったり、もっと言えば人間の思考の『本質』に迫るものであると私…続きを読む