概要
「死ねばいいのに」と君は言った。だから、僕は死ぬことにしたんだ
突然、「死ねばいいのに」と言われて、「よし、死のう」となる人間は居ないと僕は思うので、つまり、君が言う「死ねばいいのに」という言葉には、きっと何の意味もないんだよと、僕は極めて論理的に告げると君は頬を膨らませて、「いいから死ね」と僕を罵ったんだ。
おすすめレビュー
新着おすすめレビュー
- ★★★ Excellent!!!面白かった……
感想やレビューにも目を通し、色々と推敲された作品なんだと改めて認識。
怒涛の無改行に込められた作者の魂やいかに。
最後の一文は数多の可能性を秘めた内容だと思う。
読む人が読めばハッピーエンドだし、バッドエンドだし、
まさにメリーエンド。
そして、その可能性は最後の行間をドラッグする事でより一層深まる。
なんだあの一マスは。
あそこにハマるべき言葉は一体なんだったんだ。
多分、俗にいう「そこまで考えてない唯のミス」の可能性だってある。
しかしこの僅か3000にも満たない文字数を書く作者が、意味もなくそんな痕跡を?
世に放たれなかった分だけ、妄想の幅が広がる。
俗にいう「後はご想像にお…続きを読む - ★★★ Excellent!!!良質な作品でした
主人公が死ぬまで「彼女」が死んでから80余年、妻と連れ添って50年。
このことから自分が晩婚でも、長寿でもだいぶ幼い頃に「彼女」と死に別れたことになります。幼い主人公に自分自身を殺す、という選択肢があったのでしょうか?
彼女は自分自身、とも考えられます。主人公は彼女の「私以外の女を目でおっかけるな」という言葉に対して沈黙していますし。しかしそれだと彼女は何故「死んだ」のでしょうか?何故主人公はそれに気が付き、葬式をし、そして打ちひしがれたのでしょうか。さらに、一体どんな自意識があればその自分自身から死ねばいいのにと声をかけ続けられるのでしょうか?
短編ですが、考察をしながら自分自身も向き合え…続きを読む