緑のたぬきはお湯を注いで作るもの。温かいのは当たり前です。
でも、この物語に出てくるのは他の「緑のたぬき」にはない特別な温かさを持った、「緑のたぬき」です。
なぜ、彼は緑のたぬきが好きなのに食べられないのか。
読み終えた時にはその理由に納得するとともに、心の中が自然と温まってきます。
心が温まるだけでは終わらない、物語の締め方も個人的にはお気に入りです。
食べ物の美味しさは、それ自体の味だけで決まるわけではなくて、想いや出来事も絡んでくる。
そんなことを思い出させてくれる、この世で一番の「緑のたぬき」のお話はいかがでしょうか。