家族をつなぐ大切なひと、その思い出をつなぐもの

お年を召したひとたちの住む家から、盆や年末年始に、やわらかな賑やかさが、漏れ聞こえてくることがある。

私がまだ子どもだった頃、私もその賑やかさの中にいた。
騒がしくもあり、慌ただしくもあり、広くはない家の中にひとがぎゅうぎゅうで窮屈でもあったけれど、暖かかった家族たちの団らん。

私の場合もやっぱり、その中心にいたのはおばあちゃんだった。
中心にいるのにどこか控えめで、騒ぐ孫たちを穏やかに笑んで見つめるおばあちゃんが、家族と家族をつないでくれていた。

私の場合、そんなおばあちゃんの思い出すきっかけは、赤いきつねでも緑のたぬきでもなくて、いつもおばあちゃんが食べさせてくれた甘納豆だけれど、同じ想い出を持つ人たちもきっと、そんな大切な思い出をつなぐものを、きっと持っている。

それを気づかせてくれる、暖かい作品。

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