人を思いやるという選択肢。

 主人公は専業主婦で、めまいの持病がある。そんなことを知らなかった夫は、選択肢を示す。緑と赤、どっちがいい?
 それは、主人公をかつて思いやってくれた義母さんと同じ選択肢だった。

 人は誰かに選択を迫る時、やや強めに出ることがしばしばある。そして、選択肢と言うからには、悪い方と良い方があると思ってしまう。しかし、この作品の中に出てくる選択肢は、人を思いやり、どちらを選んでも良い方しかない。それはとても素敵なことだ。
 思いやりの連鎖。人々の想い。そして巡ってくる優しさ。
 赤と緑の選択肢の温かな可能性に気付かせてくれる一作でした。

 是非、御一読下さい。

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