湯灌師レイコ～知っていたらわかり合えた大切な人～

1年前に交通事故であっけなく両親と妹を亡くしてから、亡くなって48時間以内の患者に触れるとその人の生きてきた人生、さらにその人が生きていた中で死んでいったもっと過去の人たちの人生までが、走馬燈のように瞬時に繋がりをもって見えてしまうようになっていた。

ある日看護師レイコが自分の不思議な能力で知った「死んだ患者が密かに思っていただろうこと」をそのまま遺族に話したところ、遺族の様々な深い安堵の反応を知る。

やがて、死者の伝えきれなかった想いを自分が見えたことから伝え遺していけるかもしれないと考えるようになり、
レイコは「自分だけが出来ること」に向き合って生きていく決意をする。

病院を退職してフリーの湯灌師に転職したレイコの「死者からのメッセージ」の評判は、遺族の口コミで少しずつ拡がり始める…続きを読む