新訳・人魚姫。この恋は果たして成就するのか。

海に住むひとりぼっちの人魚・エレオノーラは、幼い頃に恋した人間と結ばれることを夢見て、人間になる薬を飲む。
薬の期限は、たったの一年。その間に恋が成就しなければ、身体は泡となって消えてしまう。消えずに人魚へ戻るためには、想い人を手に掛けなくてはならない――。

有名な童話『人魚姫』をベースにして、恋愛小説の名手である作者様によって綴られた、人魚と人間の恋物語です。
エレオノーラは、かつて人間に捕らえられたところを救ってくれた王子・エドワルドに想いを寄せますが、薬で人間の身体を手に入れてからは、王子の側近であり護衛を務める男・ギルバートと暮らすうちに、少しずつ気持ちに変化が生まれます。

読み心地は、ほんのりビター。されど、次第に本当の気持ちに向き合っていくエレオノーラと、人間の世界に馴染もうとがんばる彼女を支えるギルバートの眼差しが温かく、一人ではなく二人で幸せを掴みにいこうとする力強さが、恋の甘さをじんわりと読者に伝えます。
じれじれの恋、すれ違いの恋がお好きな方におすすめです。

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