夢見る人魚、渦巻く恋のお伽噺。

麗しく、天真爛漫な人魚――エレオノーラ。
でも彼女は、一人ぼっちだった。その心の隙間を埋めるように、いつしか彼女は夢を見る。それは彼女が持つ宿命なのか、それとも――。

そして彼女は恋をする。

その相手は、心優しく容姿端麗な王子「エドワルド」
だが、身分も種族も違う事は彼女にとって大きな壁であり、結ばれる為には乗り越えなければならない壁だ。
そしてその壁は、もうひとつあった。

エドワルドの側近「ギルバート」だ。
彼がエレオノーラを王子から遠ざける理由。冷たく、時には横暴に。果たしてそれは、自身が仕える者に対する忠義心の現れなのだろうか。

エレオノーラ、ギルバート、エドワルド。
彼女らを取り巻く恋の三角関係は、何の前触れもなく起こる大海の嵐のように、大きく荒れ、渦巻き、冷酷な表情を垣間見せる。
しかしそれは永遠ではない。
嵐の後には再び、平穏な水面が戻ってくる。

安らかな波間。恵みの潮。
彼らに吹き荒れる嵐の後に、エレオノーラはどのような表情を見せてくれるのだろうか。
そしてその隣には一体誰が――――いや、それは完結してからのお楽しみという事にしておこう。





その他のおすすめレビュー

幕画ふぃんさんの他のおすすめレビュー102