第20話

俺が駆けつけた時には。

彼女はびしょびしょだった。

水も滴るいい女を通り越して、

寒さに震えてた。

季節は秋。

俺はカーディガンを差し出して、

「と、取り敢えず、見えてるから!」

と目のやり場に困りつつ、彼女に告げた。


屋上から校内に通じる階段の踊り場にて。


俺は彼女に怒られた。


「どーして、手紙無視したりしたの?

どーして、手紙が、藤島くんの手に渡っているわけ!?どーして、あんなに大量のラブレターが届いているわけ!?」

  • Twitterで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る