第10話

「なぁ、ど陰キャ」


藤島のやつが急に後ろを振り返って俺にこう指図した。


「これ、要らないか全部捨てといて」


バサっと。

俺の机の上にラブレターの山を作った。


「お前の背後にあるゴミ箱行きな」


「なんか、差出人分かんねーやつ

1通来てた。これで3回目くらいかな、、

ま、でも、それがマドンナなら良いケド、

マドンナは俺、何度となく告白したけど

振られてるからそれは絶対違うのよな、、」


などとぶつぶつ言ってる。


「捨てるのはどうかと思うけど...?」


「待って帰ってもゴミになるだけだかんな。

今、ここで捨てて焼却処分でいいんだよ」


「ほら、早く捨てろ」


「...欲しきゃやるよ...

お前は一生、ラブレターには縁がないだろうからな」


  • Twitterで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る