【完結】側妃になってそれからのこと

第1話 プロローグ

「カーナ様、大丈夫ですか！？誰か、誰か医者を！うっ、」

あぁ、マイア様も毒を飲んでしまったのね。部屋の外にいた騎士達の慌てる声が遠くに聞こえる。私の意識はそのまま闇に堕ちていった。

「はぁ、社畜人生ってこれどうよ。無いわー。もうお局だし。お先真っ暗だわ。私を癒やしてくれるのは毎日の更新されているラノベ達」

　私はビール片手にスマホでラノベを読む。すると、ピピピと久々に携帯が私を呼んだ。

「はい、もしもし？母さん。久しぶり、元気だった？」

「皐月、あんだいつ家に帰えってくるんだべ？どぉせ恋人の1人もは居ねぇんだがら家さ、けえってこい。」

口うるさく母はいつも言っている小言の一つ。

「仕事が忙しいし、それどころじゃ無いんだよね。」

　そう言って家族は元気してるのか、近況報告をする。心配してくれているのはわかってはいるんだけどついつい邪険にしてしまう。

はぁ、と一つため息をついてまた読書を再開。

明日もまた仕事だ。

怠いな。