お姉ちゃんまいりました!
あれからラミの誤解を解くのに少々時間がかかったが、僕たちは学校が終わるといつもの駅前の公園で落ち合い、僕の家に向かうことになった。どうやらラミは母に今日家に帰りたいと連絡したが「帰ってくるな」と言われ、今までの経験上、鍵などは絶対に空いていないとの事なので僕の家に泊まることとなった。
「...ごめんね...」
とラミはどこか申し訳なさそうな様子でうつむいている。
「別に良いよ。ラミだって、被害者だろ。子供は親を選べない。それは俺も痛い程わかるから」
そう、子供は親を選べないのだ。なので、今回の件でラミを迷惑だなんて思わないし、逆にラミの心を傷つけているラミの家族に嫌味を言ってやりたいものだ。
「...ありがと...」
とラミは頬を赤らめ少し照れくさそうにしながら僕の側によってきて言う。
接近したせいと言えば良いのかお陰と言えば良いのかはわからないが、とにかくラミから女性甘い香りがしてきて思わず目を反らしてしまう。
「...あ、当たり前だろ。僕の大切な人だ。」
さっきのように誤解されるかもしれないと思ったがこれは心から思っているので言うことにした。
「...た、大切な人って思ってくれてたんだ...嬉しい...私も羽一が大切だよ...」
とラミはさらに頬を赤らめて慈しむような眼差しで僕を見つめてくる。ラミは羞恥心からかまた、腕をパタパタと上下に動かしている。すごく、可愛らしく。この姿をこのまま見ていても良いかな?と思ったがかわいそうなので僕はこの沈黙をかき消すように
「ありがと」
と気恥ずかしさからそっけなく呟くのだった。
あれから僕とラミは少々お互いに気恥ずかしさはあったものの、雑談をしながら帰路につき僕たちは僕の家のドアの前まできていた。
僕がガチャと施錠を解くとドアの先からどかどかと人の足音が聞こえてくる。
嫌な予感がしたが、尻込みしていても状況は変わらないので満を持して僕がドアノブに手を掛け、ドアを開けると予感は的中しそこには黒の下着姿の女性がいた。
「おい!舞さん。いつも、言っているが下着姿で僕の部屋を徘徊するな!」
と僕が彼女を睨むのほぼ同時にラミから何か物言いたげなジト目な視線が飛んで来る。
「おい、言っておくがこの人は親子と言うか姉みたいなものだからな。」
僕のこの発言により、ラミのジト目な視線は緩和されたがにやにやした舞さんの
「そうそうー!私と羽一ちゃんはお互いのほくろの数を数え合うくらいの仲だから」
このくそみたいな舞さんの発言によりラミのジト目な視線はより強いものになっていく。
「おい!舞さん!違うはないが、ちがう!小さい頃だ!僕が幼稚園生の時だから!それ以降はないから!」
と僕は言い訳になっているのか正直わからない言い訳を言い首を降りまくる。正直、なぜあの時の僕たちがそんな事をしていたかわからないがおそらく幼稚園生なので何も考えていないが故の行動だったのだろう。」
流石に幼稚園生の時と言うワードから何とかラミの誤解は解けたようで彼女は少しにやにやしながら
「へえーそんなに仲良いんだ...私のほくろの数は数えないのに...」
と呟く。
「いや!そもそも高校生同士で数えたら不味いだろ。」
僕がラミにつっこむとラミは舞さんの前だからか上品に笑い出す。
その姿をみた舞さんはニマニマと笑いだし、リビングへと行ってしまった。正直、舞さんがあの表情を浮かべる時はろくな事がないので頼むからおかしな事をしないでと願うのだった。
作品のブックマーク、いいね、フォローよろしくお願いいたします!それに、よって投稿ペースなども早くなります!
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます