新たな関係

あれから僕たちが家に帰ると舞さんがリビングでだらけていた。

「なんで、ここに?」

と僕が呟くと舞さんは満面の笑みで微笑みながら

「それはもちろん面白そうだからよ」

と呟く。おそらくだが、先程の僕の様子から異変を察し、心配して僕の家にきてくれていたのだろう。

「その様子だと当たったみたいねー」

と舞さんはさらにニマニマと笑いこちらをなめいるような視線で見つめてくる。なんだ?と思い自分の体におかしな所がないか探ると体自身には異変がなかったがラミと手を繋いでいた事に今さら気づいた。なんか、流れで握っていたので気にも止めていなかったのだが舞さんの前でこれは悪手だったと言えるだろう。

「ち、違うし。たまたま握ってたのはだから」

舞さんに交際したと話すと家の中で弄られ続ける事が予想出来るのとラミも嫌がりそうなので僕は嘘をつきそう呟いた。するとラミは少し不満そうなそしてちょっぴりいじわるな表情を浮かべ、手を握る強さをほんの少し強めながら

「...毎日私の手...つないでくれるって言ってたのに...」

と冗談げに呟いた。

「違う!ラミ!そりゃ毎日繋ぐけどさ。良いの?ラミはこういうこと言うの嫌うタイプだと思ったんだけど」

「寧ろ牽制になるから言いたいかも...」

「そんなキャラだっけ?」

「...冗談だけど、信頼出来る人には話したいかな...」

とラミはくすくすと微笑みながら呟いた。

「ラミちゃん可愛いいいいい!!!もう、私と結婚しない?良いよね羽一ちゃん」

と舞さんはわりとガチめな目で言ってくるので

「よくねーよ」

と僕が不服そうな表情を受け呟き冷蔵庫から水を取りに行こうとするとラミはそれを見計らったように

「...でもまさか羽一が怒ったら冷静になるタイプとは思わなかった...かっこよかったけど...」

と言い始めた。正直めちゃくちゃ恥ずかしいのでやめてほしいものである。

「そういえばー私の実家にいた時はよく私の妹とたわいもない理由で喧嘩してその度口でぺちゃくちゃ言ってたわよね」

と舞さんが得意気に話し始めた。

「お、おい!やめろ。僕の黒歴史を晒すな」

「しかも、妹との喧嘩は口論で最初の方は優勢なんだけど最後の方の腕っぷしを競う暴力ありな喧嘩の時はぼこぼこにされるっていうね」

「やめろおおお!!!!!!!!!!!!」

と僕が羞恥から耐えられなくなり叫ぶとラミが僕を見つめクスッと笑い

「羽一は怒鳴ってる時は怒ってなくて静かな時は怒ってるんだねー」

と言ってきた。

「やめてくれ。なんか好きな子に弱点を知られるのは嫌だ。」

「...可愛いと思うよ?...」

僕はラミの事何気ない呟きにより羞恥が限界に達し自分の部屋へと走り去るのだった。


~作者から~

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