ふれあい

あれから夜が明け、昨日と言う1日の濃度が濃すぎたためか僕はいつもより早く目覚め珍しくテレビをみていた。

「羽一おはよー」

と寝起きのラミがそう僕に言ってくる。ラミは普段は髪型をロングヘアーにしているのだが、寝る時はポニーテールにしているのか髪を縛っていた。その姿は寝起きで無防備な姿と言う事もあるだろうがいつもは見えないうなじが見えたりととても色っぽく可愛かった。

それからラミは洗面所へと向かい15分後くらいに帰ってきた。やはり女性の朝の身支度と言うのは時間がかかるとのなのだろう。

時計をを見るとまだ時刻は5時ちょうどで家を出るまで2時間半くらいの余裕があった。

僕が時計に注意を向けている隙にラミが僕が座っていたソファの隣にもたれ掛かるように座ってきた。シャンプーの香りやら女性独特の甘い香りが鼻の奥に入ってきて緊張で死にそうになったがそれに耐えてるとラミが

「...握って...」

と両手を差し出してくる。確か昨日毎日手を握ると言ったのでその事を指しているのだろう。ラミは両手首をクロスさせるような体勢でいるので、豊かな胸がこれでもかと強調されていて少し目のやり場に困った。目のやり場に困りラミの顔を見つめると慈しむような、そして期待をこめたような笑みが送られてこれはこれで羞恥に襲われてしまった。昨日は母親との口論のせいか、襲い時間帯のせいかは分からないが軽い深夜テンションみたいなノリになっており大胆な行動が出来たがシラフであのような行動は今の僕にはキツいところがある。だがラミの手を握りたいと言うのも事実なので、目を手振り、荒い息を止めラミの小さく柔らかいハリのある手に触れると触れたのと同時に「へにゃ!」と言う甲高い声が聞こえる。恐らくだが僕が急に触ったのでびっくりしたのだろう。

「触れてくれるのは嬉しいけど...も、もうちょっと...ゆっくり...触って」

とラミは色っぽい声色で呟く。

「う、うん。ごめん」

と僕も緊張からか手汗をかいてきたのでラミから手を放そうとしたら

「...まって...もうちょっと羽一触ってたいかも...」

とラミは頬を真っ赤に染め呟いた。それと同時にガチャと微かにリビングのドアの方から音が聞こえてきた。

「舞さん...」

と僕が当てずっぽうで呟くと少し申し訳無さそうな表情を舞さんが出てきた。

「いやー...ナイスイチャラブ!」

「ナイスイチャイチャラブ!じゃねーよ!何でここにいるの?いつもは家に帰るじゃん」

「いやーなんか昨日このトイレで寝ちゃててーしかも2人ともなんか面白いことし始めるしー!お二人の姉ポジションの女としては見るしかないでしょ」

「いつから、ラミの姉ポジションになったんだよ。まあ、いいやーこれはセナに報告だなー」

「セナってだれ?」

と僕が舞さんに悪態をついてくるとラミがそう聞いてくる。

「セナって言うのは舞さんの本当の妹だよ」

「ああーなんか羽一がぼこぼこにされたっていう」

ものすごい不名誉な事を言われた事に落胆しつつ僕は

「それじゃ報告なー」

「やめて!姉として威厳が!」

「威厳何てないだろ」

と2人と雑談?をしてそれから学校へと向かうのだった。


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