学校で

あれから朝の騒動を経て時間は昼休みになっていた。友一と渚と昼食を食べているとラミが教室のドアの前で立ち止まっていた。恐らくだが、この枠のなかに入りたいのだろう。

「おーい。くる?」

と僕がラミに問いかけるとラミは無邪気で幼げな笑みを浮かべこちら側へと走ってきた。その様子を見ていた、クラスの男子に睨まれているのだがそれは仕方ないだろう。

「お邪魔します...」

とラミはどこか緊張した様子で僕たちの近くの席に座り出した。恐らくだがまだあまり友一と渚に慣れていないのだろう。

「いいよ、いいよ!ラミっちよろしくねー」

と渚はそんなラミお構い無しにラミの机に自分の机をくっ付け話しかけていた。ラミの様子をみてみればどこか嬉しそうだ。やはりラミ自身、異性からはめちゃくちゃモテるが同性からは憧れて対等に接されなかったり、嫉妬されてたりとあまり関係が深い人がいないので同性にフレンドリーに接されるのは嬉しいのだろう。

「...あれ、てかお前らの弁当同じじゃね?」

と変なところで勘が鋭い友一がそんな事を言い出した。

「もしかしてーど・う・せ...」

「してないから!!!」

と思わず僕が真っ向からそう否定するとラミが頬をぷく~っと膨らませ始めた。恐らく真っ向から否定されるのが嫌だったのだろう。それに仲が良い友人には僕たちの関係は打ち明けると言っていたのでこれは悪手だったかも知れない。と僕はそう思い、羞恥から足元を見ながら

「まあ、付き合ってはいるけどな...」

流石に同棲の事を言うのは気が引けたので僕が交際していると言う事実だけを言うと渚と友一はニマニマ笑いながらとまるで獲物をみつけたライオンの如く僕を見つめてきた。

恐らく、こいつらはこいつらでいつまでも彼女を作らない僕を心配していたのだろう。まあ、だがきっとこの話題でいじり倒したいと言う思いの方が強いと思うが。

「羽っちやるねー!まさかこんな美少女を捕まえるとは...っ事は最近元気なかったのも毎晩、毎晩!?」

「違うからな!?そもそもそんな事まだしてないから!な、ラミ!」

と言い僕がラミを見ると、ラミは羞恥からか頬を赤く染め、髪を人指し指でぐるぐるといじりながら

「...うん。そういうのはゆっくりね?...」

と僕をどこか慈しむような瞳で見つめてくる。可愛すぎる。僕が放心状態になっていると友一が

「いやー。俺は嬉しいよ...羽一が女性に興味があったって事しれて」

「は?」

「いやー、てっきりそっち系なのかと」

「お前な...まあ、気づかってくれるのはありがたいが、僕ばりばり女の子好きだからね」僕は友達に衝撃のカミングアウトをされ、呆然としてるとラミが僕の服のそでをくいくいと引っ張ってくる。

「...他の女の子好きなんだ」

その様子はどこかいじけてるような感じで非常に愛らしかった。

「それは、好きと言うか、好きになる人の性別と言うか...とにかく!ラミが僕の一番だから」

「...なら良いけど...」

と僕は色々な事があったもののラミの微笑みに少しにやけ弁当を頬張り出すのだった。


~作者から~

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