連絡

「...羽一今度デート行かない?...」

とあれから学校が終わり、家に帰り晩御飯を食べ終えた後に、頬を赤らめながらラミが僕の小指をにぎにぎと軽く握りつつそう言った。

「別に良いけど、どこ行く?」

と僕は羞恥から少し素っ気なくそう言ってしまったが内心は物凄く嬉しかった。当たり前だ。大好きで愛してる女の子とどこかへ出掛けられるのだ。男として嫌な訳がない。

「...なら、猫カフェ行きたい」

「おおー!いいな。っか猫好きだっけ?」

「うん!小さい頃飼ってたから」

恐らくラミの実の母の生前飼っていたのだろう。

「よし!なら、行くか。えっと...今日が火曜日だから今度の土曜日にでもどうだ?」

と僕が言うとラミは慈しむような視線で僕を見つめ

「...たのしみ...」

と少し照れながら僕の手を握り呟いてきた。めちゃくちゃ可愛い。しかも、ラミは狙ってこういうことをやっているのではなく無意識でやってくるので余計に達が悪い。僕は頬を緩みを抑え手を握り返した。するとラミは気分が良くなったのか猫を撫でるように僕の頭を撫でてきた。

「ぼ、僕は猫じゃないんだけど...」

と僕が頬を赤らめながら言うとラミは少しからかうようなそして、愛でるような表情を浮かべ

「えー...羽一可愛いし!ほら、にゃーって甘えても良いんだよ?...」

とラミがさらに僕の頭を撫でながら言ってきた。正直過去一可愛いが僕はラミの大胆な行動への羞恥から頭が真っ白になり

「ちょっと部屋言ってくる!!!」

と叫ぶように言い放ち自室へと駆け込むのだった。

自室へと戻り、スマホをふと開くと一通のメッセージが届いていた。

「羽一へ。久しぶりにうちに帰ってきませんか?真美、父さん、母さん3人で羽一の帰りをまっています。母さんより」

とどこから僕の連絡先を入手したのか分からないが、小学校卒業と同時に音信不通になっていた母達から連絡があった。正直いじめられていた時に助けてくれなかったのに今さら何を言っているんだ。と言う思いと久しぶりの連絡で嬉しいと言う2つの思いがあった。

だが、もちろん僕も馬鹿ではないので分かっているのだ。彼らは僕の事を本当の意味では僕の事を考えてくれはしないと。だが、やはり肉親と言うこともあり、まだ未熟な僕は精神的な意味でまだ拒絶出来ずにいた。他にはこの考えとは間反対のせっかく舞さんが僕を新たな環境へと連れ出してくれたのにそれを崩して良いのか?と言う思いなど、僕は様々な思いに囲まれ頭を抱えるのだった。


~作者から~

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