違和感
あれから僕は翌日、学校を休み実家へと向かうことにした。理由は1度自分の中でけじめをつけたいと思ったからだ。それに正直、今の僕は自分で自分の事が良く分からず、何をすれば良いのか分からなかったので家へと帰省するとことにした。
今、僕は実家の家の玄関前についたところなのだが、まだ家を出て5年しか時が経っていないにも関わらず、家は少し汚ならしく、そして弱々しくそこに立っていた。僕が玄関前で立ち尽くしているとlimeで事前に今日帰省すると伝えていた為か、妹がドアの施錠を解き出迎えてくれた。
「お兄ちゃん久しぶり!」
と相変わらず、テンションが高く明るいめいが僕の手を家へと引きつつそう言った。実の所、僕は父親や母親にはいじめを助けてもらえないない程に関係が悪いのだが妹とは仲が良かった。それに今思えば、妹はラミと同い年で1歳下で当時は小学5年生なので僕を助けると言うのも難しいだろう。
「めい...久しぶり!」
そう言い放ち僕はめいが用意してくれたスリッパを履きおそらく母親と父親がいるであろうリビングへと向かうのだった。
リビングへとつき、両親の顔をみるとまだ5年と言う月日しか経っていないがどちらともシワがふえたりとどこか老けていた。
「おかえり」
「おかえり」
とほぼ同時に両親がそう呟いた。
「ただいま」
と僕もラミからキンキンに冷えた麦茶を貰いながらそう呟く。やはりあんな喧嘩別れのような形で家を出たのでどこか気まずい空気が流れている。そんな空気を変えるように母が
「そういえば桜風高校に入ったんでしょ?あそこ偏差値高いのに凄いわねー」
と言ってきた。だが別に凄くなんて全くない。ただ普通の高校に行くと学費が高くなり舞さん達に申し訳ないので頑張っただけだ。それに.........
「別に凄くないよ」
と僕が呟くと母さんはさらに微笑みながら
「凄いわよー!めいなんて桜風落ちたもの」
とこの母親の何気ない発言によりめいはうつむいてしまった。そう。思い出した。こいつらはこういう奴らなのだ。一方を持ち上げもう一方を地まで落とす。
「かあさ...」
と僕が圧強めに母親の名を呼ぼうとしたのとほぼ同時にインターフォンのベルが鳴り出した。めいが玄関へと向かいそれからちょっとして玄関からリビング2人の足音が近づいてきたのがわかった。それから数秒経つと足音がピタッと消えドアの方に目を向けると古びた家には似合わない程に美しい、だがどこか安心できる金髪な少女。そう僕の彼女がいた。ラミは僕の方へ慈しむような笑みを浮かべそれから
「...彼氏取り返しにきました」
と呟いたのだった。
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