選択
「ど、どう言うこと!?」
と母さんは先程までの笑顔から一変し僕の事を睨んでくる。ラミの方を見るとラミは僕の瞳を見つめ微笑んでき、それから母親の方を隙がない、少し鋭い目で見つめ
「そのままですよ。羽一を取り返しにきました」
と言った。取り返しにきた?どういう事なのだろう?僕は今日は泊まりもせずに日帰りで帰ろうと思っていたのだが。
「羽一なら、そのうち帰るわよ」
と母親が言うとラミは
「なら、学校に届けられた退学届けは何なんですかね?」
と衝撃的発言を言い出した。退学届け?思わずこの悪魔のような言葉に僕は顔を青白く染めていると
「羽一安心して、不振に思った学校の先生が舞さんに連絡してくれたから不受理に出来たよ!」
マジで良かった。まあ、当たり前と言えば当たり前か。一応親権があるのは実親だが、実際に育ててくれ学費を払ってくれているのは舞さん達なので退学が受理されたらたまったものではない。
「お母様はなぜ、学校をやめさせようとしたんですか?」
「そ、それは家族みんなで暮らした方が幸せだからよ!」
僕は少し迷う所があった。血を分け合った家族なのだ。なので、関係を修復した方が良いのではないかと先程までは思っていたが目が覚めた。大切なのは血縁関係などではないのだ。例え血の繋がりが薄かったり、繋がっていなかったとしても心さえ通じていれば良いのだ。僕の母親のように血縁関係が合ったとしても明確な敵になりうることもある。そんな単純な事にも気がつけなかったとはやはり家族関係の事は恋のように盲目になるのかも知れない。
「...羽一...帰ろ?...」
とラミはどこか不安げな表情を浮かべ僕に問いかけてくる。おそらく断られるかもしれないとでも思っているのではないだろうか?僕はそんなラミの頭を撫でながら
「そうだな」
と答えた。僕はこんなにも自分の事を考えてくれ、そして人前に出るのが苦手な彼女が僕の為に頑張ってくれていたのにも関わらず何を考えていたのだろう。昔の僕の頬をひっぱたきたくなる程には自分自身に嫌悪感を覚えていた。思わず自分の唇を噛んでいると母親が声をあらげて
「家族を捨てるの!?」
と叫んでくる。家族を捨てるもなにも家族として接してくれなかったからこのような結果になっているのだが。だが、覚悟を決めないといけないのかもしれない。今回は退学にならずにすんだが、この家族達と関わり続けていたらまたこのような事が起きるだろう。
「そうなるかもね。僕はラミや今僕と関わってくれる人達の方が大切だ!」
と言い僕たちが家を出てるのだった。
表に出るとスーツを着ている舞さんがいた。
「私もちょっと、行ってくるから羽一とラミちゃんは先に帰っていて」
おそらく舞さんにも思惑や色々な事があるのだろう。
「わかった」
と言い僕たちは駅へと向かうのだった。
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