希望
「羽一思い詰めてたのに気づかなくてごめんね...」
とラミが家に帰るなりそう言って謝罪してきた。だがむしろ謝るのはこちらの方だ。
「僕こそごめん...ラミの優しさに甘えてた」
と僕が言うとラミは僕の手をかぼそく握り
「...私はその方が嬉しいかも...」
た呟いた。
「そんな事言ったら僕はきっとラミに甘えまくるぞ」
実際今だってこんなに甘えているのに、そんな事を言われたら自分の理性に歯止めがつかなくなりそうで少し怖い。
「...私はもっと甘えるからいいよ...」
と言いソファーに座っていた僕にまたがるようにラミが抱きついてきた。ラミの豊かな胸の感触、甘くそして男をダメにするような魅惑の香りそんなものたちが僕の体に染み渡るように広がっていった。
「ラミ...ありがと...でも、理性飛ぶからやめろ」
と言い僕が振り払うとラミは頬を赤くし、慈しむような表情で
「...とにかく...甘えていいからね!...」
と言い顔をクッションに埋めてしまった。おそらく相当恥ずかしかったのだろう。とことこと小動物のように呻いているラミに触れようとした瞬間、ドアが開く音がし、それと同時に聞き慣れた声がリビングに響き渡った。
「おかえり~!ってあれれれ...いちゃラブ中に失礼しました~」
と舞さんがいつものようにからかってきた。
僕も冗談めいた口調で
「ああ、そうかもなだから出てけ」
と呟くと舞さんはどこかにやにやとした視線でこちらを見つめてきた。すごく嫌な予感がする。
「良いのかなー!そんなこと言っちゃてー」
「はー?何だよ?」
本当に何なのだろうなどと僕が疑問に思っていると、ドアから艶のある黒髪ツインテールで、どこか幼さがあるが整った顔立ちそして、控えめな胸をしている美少女がいた。間違いなくこれは僕の妹だ。
「は?えっ?なんで、めいいるの?」
別に嫌とかではなく、むしろ嬉しいまであるがなぜめいが来ることになったかが分からない。僕の疑問をはらすかのように舞さんが語りだした。
「いやー。実はさ、私とめいちゃんわりと前から文通してて仲良いんだよねー」
「それで?」
「桜風高校、転入試験希望者募集しててめいちゃん受けたらしいのよ」
「それで受かってここにきたと...めいおめでと!これからよろしくな」
と僕がめいを祝福するとめいは少し困惑したような表情を浮かべている。
「私お兄ちゃんに嫌われてると思ってた...」
「は?なんでだよ」
まあ、なんとなく察したが。おそらく昔の事を気にしているのだろう。ただあの時のめいは小5だし、それにあの両親の目が光っているのだまともに身動きとれないだろう。
「好きに決まってるだろ。だって今日だって、めいだけが心の底から僕の帰りを喜んでくれてただろ」
と僕が言うとめいの表情は多少明るくなった物の完全になっていなかった。
「昔の事は気にするな。あの時は親の目があったし、めいは小5だったんだ。それに、僕は昔のめいなんて関係なく今のめいと仲良くしたい。これは僕のわがままだ。それでも良いなら僕と兄弟してほしい」
めいは少しまだ、解消しきれてないような表情を浮かべていたがペチンッと自身の頬を叩き表情を笑顔しに
「うん!」
と答えた。それから僕はめいにお茶を出すため、台所へと向かうのだった。
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