乙女の戦い
「...でー!羽は可愛い女の子を連れ込んで私たちとゲームしてたんだー」
と小崎が不満げな声色に変え僕に呟いてくる。
「違うからっ!連れ込んではいるけど合法な物だから!」
「合法ってどっちとも付き合ってるってこと!??」
と何かを勘違いしたのか小崎の声色はさらに圧が強くなっていた。
「いや、ラミは親友で舞さんは姉みたいな物だから」
「へえー!それにしては何か焦ってたみたいだけど?」
何故ここまで小崎の機嫌が悪くなっているのかが分からず困惑していると、夕食をつくり終えたのか近寄ってきたラミが何故か僕の小指をにぎにぎと握りだしてきた。
「...羽一が前に美味しいって言ってくれてただし巻き玉子今日も作ったけどいい?...」
どこか照れくさそうに頬を赤く染めて呟く姿に思わず僕の頬を熱を帯びてきてしまった。
「めっちゃ嬉しい。ありがと...」
「...羽一の食べてる姿...だ、だーい好きだしいいよ...」
とどこか慈しむような表情でラミが僕を見つめてくる。めちゃくちゃ可愛いこの表情で忘れていたが、小崎と友一と通話していたことに気がつきイヤホンに耳を傾けると小崎の叫び声が聞こえた。
「す、すすす好きってえええ!もう、それできてるじゃん!完全にもう、できてるじゃん!」
ちなみにラミと僕との会話は僕のイヤホンのマイクを通して小崎に聞こえていたみたいだが、ラミには僕がイヤホンをしているため小崎の声は聞こえてない。
そんなカオスな状態で死にそうになっている僕の元にさらにやばい人舞さんが近づいてきた。どうやらお風呂から上がってきていたらしい。
「おー!イチャイチャしてるねー!お二人さん」
とそんな冗談を言いながら歩いている舞さんの服装は下着も何も履いていない全裸だった。
「やめろおおお!!!!!!!!なんで裸なんだよ!!!」
「えぇー!減るもんじゃないんだし良いじゃん!それに、私たちはほくろの数も数えたなかじゃない」
と舞さんがさらに誤解を生みそうな発言を連発してくる。「止めてくれ!って言うかほくろの数を数えたのは真実だけど幼稚園のだからな!って今通話してるからマジでやめてくれえええ!!!」
あっ。墓穴を掘ってしまったかもしれない。
「...も、もしかしてさっきの聞かれてた?」
とラミが恐怖心からか少し震えながら聞いてくる。
「うん.......」
どうせ嘘をついても後にバレると思ったので僕が正直に告白するとラミはトイレへと走り去ってしまった。
今思えばミュートすれば良かったのだが、焦っていてそんな単純なことすら選択しになかった自分を僕は一発ぶん殴りたくなった。
そんな思いと同時にラミに今夜は舞さんの件と今回の件どちらも尋問されそうだなと思いつつ僕はため息をつくのだった。
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