百万字に匹敵する一千字

 ひとこと紹介の通りの印象がある物語です。

 付き合いだして間がないが故に冷凍睡眠によって互いの記憶を失うかも知れない二人が、ただ短い言葉を交わすだけの展開です。

 約1700字は短編としても短いのに、二人の関係の進め方、そして結末が、百万字に勝る物語を想像させてきます。

 語られていない二人の日々、生い立ち、この物語に書かれていない場面を、それこそ〆の言葉の続きすらも想像させてしまうからです。

 百万時に勝る千字が綴られた、このだらだらと続いてしまいがちな世界だからこそ読みたい物語です。

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