第17話
「私はお父さまに、藤島くんのことはなにも言ってないし、なんか、告げ口したとか全然ないからね...」
「藤島くんのお父様がやってる会社との取引中止の件は、私のお父様や、会社の執行役とかの役員会議や株主総会で議決されたことだと思うから、私に色々言われても困るわ」
「いままで通り、発注かけてくれなきゃさ、
倒産するんだぞ...!解ってんのか!?」
「粗悪な部品、平気で納品してたのが
いけないんじゃない?納期遅れも多々あって
お父さまのグループ会社のみんなは大変な
迷惑被っていたのよ、、
あと、ブラック企業過ぎて、残業代も支払わず、従業員を、
過労死させてしまった責任は重いわよ...」
「....っ!」
「な、なぁ、おまえの力でなんとかならねぇのかよ!俺ら同じ高校だし、同級生のよしみでさ...!」
「...無理ね。こういうときだけ、
友達ぶるのやめてよね。私に発言権はないのよ、残念ながら。
まだ、私はただの「高校生」で。あなたのお父さまの会社の
もと取引先会社の重役でもなければ、従業員でもないもの」
「...くそっ!!」
藤島くんは、
そばにあった机を蹴っ飛ばしたらしかった。
それだけ言い残すと。
教室から飛び出してきた。
俺には目もくれずに。
ポケットに手を突っ込んで。
階段を駆け下りて行った。
藤島くんを見たのは。
これが最後だった。
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