第20話
ユーコの元カレが学校に来ることはなかった。
俺は、ユーコとヨリを戻すことはなかった。
随分としつこく付き纏われたけど、
相手にしなかった。
ま、当然のことだわな。
歳月が流れ。
父さんは接客業仕込みの人当たりの良さから営業マンとしての腕を買われ、入社2年後には
重要なポストに就いた。
やがて更に時流れて。
俺も、西園寺さんも
二十歳になったとき籍を入れた。
俺はプロゲーマーになっており、一方の
妻は、経理士として稼業を手伝っていた。
そして、ふたりして成人式に参加したのだが。
藤島くんには会えなかったが、
林ユーコには久しぶりに会えた。
たが。
相変わらず。金の魔力に狂っており、
キャバ嬢は時給2000円で楽して金を稼げるだとか言って近況報告で吹いていたけど。
顔色、どす黒いから、肝臓が悪くなっているのが、俺でも見て分かった。
長くは続かない、やがては体調悪くして辞めなくてはならなくなるのが、容易に想像できた。
さて。
ユーコが自分で自分をいい女、だと
昔も今も豪語しているけど。
俺からみたら、ぜんぜん大したことない。
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